かわさき川柳同好会

上達目指し切磋琢磨 17文字に思いを託す

それぞれが句を持ち寄って行われる月1回の学習会

「老いて未だ洒落っ気食い気は衰えず」「語るほど自分のことは見えぬもの」-川崎公民館で毎月発行している公民館報「川」には、人気の川柳コーナーがあります。このコーナーに句を寄せているのが、川崎公民館を拠点に活動する「かわさき川柳同好会」(三浦澄生会長)の皆さんです。
同会は、川崎公民館が開催していた川柳教室を引き継いで平成10年、愛好者らによって立ち上げられました。毎月1回同館を会場に、町内のお年寄りや主婦を中心に、東山町の松川老人クラブの愛好者も加わり、現在22人が活動しています。
講師は、川崎町門崎の千葉零点さん(本名千葉弓夫さん)。一関霜紅大学の川柳講師を務めながら各地域を回り、講師や選者として活躍しています。
「川崎町の学習会は、結成から12年間、一度も休むことなく継続して活動しています。都合がつかずに出席できない会員からも、必ず句が寄せられます」と語る千葉さんの言葉から、会員の川柳に対する熱意が伝わります。
学習会では、持ち寄った一人2作品ずつが、ホワイトボードにびっしりと書き写されます。仙台市や千葉県に住む会員からも、毎回投句があるそうです。
ボードに書かれた川柳を、会員が2句ずつ読み上げると、仲間同士で批評しながら添削し、センスを磨き合います。そこに千葉さんの解説が加わり、学習会はいよいよ和やかな雰囲気で進んでいきました。その後投句された2句のうち、千葉さんが1句を選び、作者を発表。この句が「川」に掲載されています。
15年6月には、初めての作品集を編集。会員らは「今年こそは、2作目の作品集を」と意気込み、上達を目指して切磋琢磨しながら、句作に励んでいました。
高齢者が多いことから、活動途中に亡くなる会員も少なくないという同会。共に学んだ仲間をしのび、会員らの弔句に加え、本人の遺作品を捧げて、冥福をお祈りするそうです。
17文字に思いが託された川柳は、地域の人たちの心に刻まれていきます。

活動メモ

■活動日…毎月第2土曜

■活動場所…川崎公民館

(広報いちのせき 平成22年3月1日号)