一関市・藤沢町合併住民懇談会
市民の皆さんから貴重な意見
一関市と藤沢町の合併について、住民懇談会で市民の皆さんから貴重なご意見をいただきました。
その主な内容と市の説明についてお知らせいたします。
7会場で懇談会
住民懇談会は市内7会場で地域ごとに開催。全体で約300人の市民の皆さんの出席をいただき、市長、教育長、各部長などが、市民の皆さんの質問やご意見などを聴きました。
17年の合併の成果
質問
前市長は一体感の醸成は確実に進んでいると話していたが、勝部市長の認識はどうか。
市長
周辺部は不便になったという声があることは承知している。前回の合併当時は、国の三位一体改革で財源が思うように増えない時期と重なり、誤解されている面もあると思う。今後とも地域コミュニティーの自立を支援するための予算を措置し、配慮していく。
質問
市長はこの4年間を基礎工事期間と言っているが、基礎工事とは何か。これから何をやるのか。
市長
合併の評価という意味で基礎工事に例えた。評価は、ある程度長いスパンで見るべきものと考えている。具体的には新市建設計画の中身を総合計画に移行し進めている。
質問
合併の効果、今までの住民の声をどうとらえ分析しているのか。また、その声にどう対応してきたのか。
部長
メリットは歳出を抑えながらの事業の重点化。新市建設計画を総合計画に移行して、ハード面でさまざまな事業に計画的に取り組めていること。毎年計画を見直し市民の代表の皆さんから意見を聴き進めている。
デメリットとして声が届きにくい、サービスが悪くなったというご指摘については、そのようなことのないよう対応していきたい。
合併への思い
意見
合併は運命共同体となること。約束を守り地域に対して気配りをしてほしい。思いやりがなく外に対し恥ずかしいことのないよう、隣が何をやっているのかよく勉強してほしい。
質問
前回の合併については、市の名称問題で不信感が残っている。今回は、編入合併とのことだが、対等合併で進めては。
市長
前回は名称問題で二転三転あったが、今はしっかりした基盤を共有していると思う。今回は、規模の違いなどさまざまなことを考慮して編入合併と考えているが、具体的には法定協議会で決定する。周辺部に配慮した地域づくり、施策を進め、市全体の発展を目指していく。
質問
前回の合併で一関市は藤沢町をはずしておいて、なぜ、今合併なのか。
市長
17年の時には、藤沢町をはずしたということではない。財政的にもっと説明がつくようにしてほしいという意見があり、その時は一緒になることが難しかったということだったと思う。
意見
藤沢町との合併は大賛成。両磐の前に東磐井が共同体であったはず。それぞれの町には、伝統、歴史、文化がある。思いやりのある合併をお願いしたい。
質問
両磐は一つと言うが、平泉も両磐の中にある。今、ようやく藤沢と合併とのことだが、なぜ、平泉が入らないのか。平泉町長と話し合ったことはあるのか。
市長
平泉町長とはさまざまな機会に話をしている。町長は平泉の世界遺産登録を目指して、今の形でいきたいとの意向なので、これを最大限尊重していきたい。一関市は平泉町の最大で最良のパートナーということを伝えており、世界遺産登録に向けて協力していく。
財政は厳しいのでは
質問
財政状況の悪い数字を示して合併を進めようとしているのではないか。明るい夢の持てるようなものを出すべき。
部長
一関市も国の財政支援に頼っている状況。職員数も17年の1576人から21年では1382人、33年には1100人程度にしないといけない。
質問
前回の合併時の藤沢町の債務はいくらだったのか。
部長
17年度末で、すべて合わせて177億円。20年度末では135億円となっている。
質問
一関市民は藤沢町の借金を背負うことにならないか。
部長
前回7市町村での合併の時もみんなで負担するということで合併した。今回もみんなで支払っていくこととなる。
質問
どうして藤沢町は赤字を背負ったのか。
市長
前回の合併協議の時点では、藤沢町は独自事業の費用がかさんでいたものと認識している。しかし、それぞれの地域によって歴史や背景があり、最終的には議会で承認されたものであり尊重すべきもの。
質問
財政展望は、むしろ一関市の方が厳しいのではないか。
部長
藤沢町は26年度まで単年度収支が赤字で27年度から黒字になるが、貯金にあたる基金残高が29年度までマイナスとなっており、赤字決算ということになる。一関市は、単年度収支のマイナス分を財政調整基金で埋め合わせできる。
さらに道路整備や学校建設などの投資的経費については、一関市は単年度で60億円から70億円台、藤沢町は1億円から2億円を見込んだシミュレーションとなっている。
質問
合併後の収支見通しは人件費にかかってくる。27年度でどの程度になるのか。
部長
大まかに歳入に占める割合は、23年度は132億円で22.5パーセント。27年度では117億円で20.9パーセントと割合は小さくなる。
質問
藤沢町の債務残高の見通しは。
部長
債務負担行為額は減る。地方債も減少傾向になる。
病院など独自事業は
質問
藤沢町の第3セクターの民営化について、町の出資はあるのか。各会社の債務は。町で債務保証しているのか。
部長
町の出資はない。法人の債務はない。民営化した際、町が債務を引き受け償還している。
質問
藤沢町民病院は、全国に誇れる活動を展開しており、何が何でも残すべきだと思うが、市長の考えは。
市長
地域の医療問題については、県立病院、国保診療所、開業医を問わず同じフィールドで考えるべき。藤沢町民病院は町民みんなで支えてきたレベルの高いものと認識しており、引き継ぐべきと考えている。しかし、課題もある。
質問
藤沢型農業は成功なのか、失敗なのか。今後、うまくいかなくなった時、一関市が負担をするのか。
市長
藤沢型農業の評価は、10年、20年先に評価されるべき。市の新たな負担が発生しないよう努力していく。
質問
広報や病院など、藤沢町に学ぶところがあるのでは。
市長
藤沢の良いところは、参考にしていくべきだ。合併協議会で残すべきものは残すというスタンスで臨みたい。
住民意見の集約は
質問
どういう形で住民の意見を集約するのか。
部長
まず法定協議会の設置について議会の議決をいただく。その後、同協議会で新市基本計画や両市町で違いのある住民サービスの取り扱いについて協議する。その協議結果を資料としてまとめ、6月ごろに住民説明会を開いて市民の皆さんのご意見を伺う。
質問
藤沢町民が合併を望むのであれば賛成だが、どうなのか。
市長
藤沢町でも住民懇談会を行っており、現状をしっかり説明していけば理解されると思う。
(広報いちのせき 平成22年3月1日号)