決算 1
市の23年度決算の概要と総務省が実施している「地方財政状況調査」による普通会計(他の市町村と比較しやすいよう共通の基準で調整したもの)の決算の状況をお知らせします。
23年度の歳入と歳出
「予算」は1年間に入っくるお金(歳入)と使うお金(歳出)の計画です。
これに対し、実際のお金の使いみちとその内容をまとめたのが「決算」です。
家庭に例えれば家計簿です。
23年度普通会計の歳入総額は770億8千万円。
東日本大震災の影響などにより市税が減少したものの、復旧・復興事業に対する国や県の補助などにより前年度比76億円( 11.0%)の増です。
歳出総額も720億4千万円で、前年度比62億円(9.4%)の増です。23年度に実施した主な事業は下表のとおりです。
歳入から歳出を差し引いた額は約50億4千万円です。
この差引額から年度内に支出が終わらず翌年度へ繰り越して使用するお金を引いた実質収支額は32億円の黒字となっており、これらは主に家庭の貯金にあたる「基金」に積み立てます。
市の貯金(各種基金のうち「財政調整基金」と「市債管理基金」)の合計は、前年度比3億3千万円(3.1%)増の111億9千万円です。
23年度の市財政は黒字です。
しかし、市税など市が自主的に収入できる財源「自主財源」は24.9%です。
これに対し、地方交付税や補助金など国や県から交付される財源「依存財源」は75.1%です。
つまり、まだまだ国や県への依存度が高いことがわかります。
市の借入金「市債」の残高は1億7千万円(0.2%)増の787億5千万円です。
普通会計の歳入状況
普通会計の歳出状況
【性質別分類】
財政運営の健全性や弾力性を分析するのに適します。
内訳は■義務的経費=3 0 0億4千万円(41.7%)■投資的経費=184億7千万円(25.6%)▼その他の経費=235億3千万円(32.7%)─です。
【目的別分類】
分野ごとの使われ方で分類しています。
歳出総額は720億4千万円で22年度と比べ62億円(9.4%)の増です。
震災からの復旧・復興
東日本大震災からの復旧・復興に要した歳出総額は73億8千万円(特別会計を含む)です。
主な事業の内訳は、復旧事業として道路や橋など土木施設の復旧に22億3千万円、学校や公民館など文教施設の復旧に8億7千万円、農地や共同利用施設など農林施設の復旧に7億7千万円など、合わせて46億9千万円です。
復興事業は、コミュニティFM情報配信事業に6億7千万円、災害廃棄物処理事業に4億円、放射線対策事業と利用自粛牧草等処理円滑化事業にそれぞれ1億円など、計26億9千万円です。
これら費用の多くには国や県の補助金、国の震災復興特別交付税、市内をはじめ全国の皆さんから寄せられた寄付金が充てられています。
なお、東日本大震災の復旧・復興には22~24年度で116億8千万円を要する見込みです。
行財政改革の推進など
行財政改革の推進などにより各種経費を削減しました。
そのうち人件費については、職員数が30人の減です。(一般会計における人数比較)
また、後年度の財政負担を軽減させるため、将来にわたって支出することを約束した額の一部を繰り上げ支出しました。(後年度負担軽減額3千万円)
19年度から実施している市債の繰り上げ償還など後年度負担軽減額は24年度までの6カ年で10億2千万円です。
一関市の23年度会計別の決算状況
会計名 | 歳入 | 歳出 | 差引 | |
一般会計 | 729億9,142万円 | 679億5,794万円 | 50億3,348万円 | |
特別会計 | 国民健康保険(事業勘定) | 129億2,143万円 | 127億8,991万円 | 1億3,152万円 |
国民健康保険(直診勘定) | 5億1,006万円 | 5億983万円 | 23万円 | |
後期高齢者医療 | 10億7,747万円 | 10億7,705万円 | 42万円 | |
介護サービス事業 | 4,375万円 | 4,375万円 | 0万円 | |
土地取得事業 | 344万円 | 344万円 | 0万円 | |
金沢財産区 | 923万円 | 168万円 | 755万円 | |
都市施設等管理 | 1億7,569万円 | 1億7,555万円 | 14万円 | |
工業団地整備事業 | 5,249万円 | 5,249万円 | 0万円 | |
市営バス事業 | 1億8,261万円 | 1億8,261万円 | 0万円 | |
簡易水道事業 | 28億8,261万円 | 28億8,195万円 | 66万円 | |
下水道事業 | 33億6,497万円 | 33億2,086万円 | 4,411万円 | |
農業集落排水事業 | 4億5,824万円 | 4億3,321万円 | 2,503万円 | |
浄化槽事業 | 1億3,019万円 | 1億3,017万円 | 2万円 | |
物品調達 | 3,355万円 | 3,052万円 | 303万円 | |
合計 | 948億3,715万円 | 895億9,096万円 | 52億4,619万円 |
旧藤沢町(合併前)の23年度会計別の決算状況
会計名 | 歳入 | 歳出 | 差引 | |
一般会計 | 49億9,604万円 | 40億453万円 | 9億9,151万円 | |
特別会計 | 国民健康保険 | 4億3,521万円 | 4億1,048万円 | 2,473万円 |
後期高齢者医療特別会計 | 1,972万円 | 1,546万円 | 426万円 | |
下水道事業 | 4,626万円 | 4,435万円 | 191万円 | |
合計 | 54億9,723万円 | 44億7,482万円 | 10億2,241万円 |
一関市の23年度に実施した主な事業
事業名 | 事業費 |
川崎中学校整備事業 | 8億9千万円 |
コミュニティFM情報配信事業 | 6億7千万円 |
一関東第二工業団地立地促進事業 | 6億0千万円 |
一関水泳プール整備事業 | 3億1千万円 |
真滝中央線道路改良事業 | 3億0千万円 |
骨寺村荘園地区整備事業 | 2億9千万円 |
テレビ難視聴地区解消事業 | 2億7千万円 |
大東小学校整備事業 | 2億6千万円 |
駅東前堀線道路改良事業 | 2億3千万円 |
山目駅前釣山線道路改良事業 | 2億3千万円 |
経済対策などの事業
事業名 | 事業費 |
市独自の経済対策事業 | 28億5千万円 |
緊急雇用創出事業・ふるさと雇用再生特別基金事業 | 7億6千万円 |
きめ細かな交付金事業 | 5億7千万円 |
住民生活に光をそそぐ交付金事業 | 1億5千万円 |
その他の国の経済対策など | 2億5千万円 |
地震災害復旧・復興事業
事業名 | 事業費 |
東日本大震災復旧・復興事業 | 73億8千万円 |
*事業費は特別会計含む
一関市の市民一人当たりの決算状況と県内他市平均との比較
なるほど財政用語
■市税 市民税、固定資産税など皆さんが納める税金
■地方交付税 地方の財源の偏りを調整するために国から交付されるお金
■地方債 国や銀行などから借りるお金
■国・県支出金 特定事業に対して国や県から交付されるお金
■義務的経費 歳出のうち支出が義務付けられたお金
■扶助費 法令に基づき支給する生活保護費・児童手当など扶助するお金
■公債費 地方債として借り入れたお金の返済金
■投資的経費 道路や施設の建設などに支出されるお金(普通建設事業費と災害復旧事業費を合わせて投資的経費といいます)
■普通建設事業費 道路、橋、学校、公園など社会資本整備のお金
■物件費 賃金、旅費、消耗品費、委託料などの総称
■補助費等 各種団体に対する助成金や一部事務組合への負担金など
■繰出金 一般会計と特別会計、または特別会計相互間で支出されるお金
■財政調整基金 突発的な災害や緊急を要する経費に備える基金
■市債管理基金 地方債(借金)償還の増加に備える基金
広報いちのせき「I-Style」 平成24年11月15日号