県が全市町村を対象に調査 野生山菜の調査を全県で実施
春の山菜シーズンを前に県は、「コゴミ」と「ワラビ」の2品目を対象に全市町村調査を実施します。
調査は、山菜類の放射性物質汚染に対する不安を取り除くことを目的に行います。
市も、引き続き簡易測定を実施して、生産者の不安の解消に努めていきます。
山菜シーズンの到来近づくが制限解除の見通し立たず
市内全域で生産・採取されたキノコ類、山菜類などに対し、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣から出荷制限指示が県農林水産部長から出荷自粛要請(表1)が出されています。
市は、市民や産直団体から依頼を受け、市内産農林産物の放射性物質濃度の測定を行ってきました。
山菜類は平成24年3月から6月までに15品目559検体を測定。
このうち10品目82検体で基準値を超えました。
出荷制限などが出されている5品目は、検体数の11~90%で基準値を超えました。
出荷制限を解除するには、県が国に対し、品目ごとに解除申請を行わなければなりません。
しかし、解除するためには、原則、1市町村当たり3カ所以上で検査を実施し、直近1カ月以内の結果が全て基準値以下であることが条件です。
栽培管理されていない野生の山菜やキノコなどは、継続的に安定した結果が必要です。
その他にも、さまざまな条件を満たさなければ解除になりません。
県は、各制限指示品目の解除申請に向けて事務を進めています。
しかし、国から具体的な方法などは示されていないため、25年産の制限などの解除は見通しが立たない状況です。
<表1>平成25年3月現在、国・県から出荷制限の指示などが出されている品目
品目 | 出荷制限の指示など | ||
キノコ類 | 乾シイタケ(H23年産) | 平成24年2月14日 | |
乾シイタケ(H24年産) | 平成24年5月23日 | ||
原木生シイタケ(施設) | 平成24年3月30日 | ||
原木生シイタケ(露地) | 平成24年4月25日 | ||
野生キノコ | 平成24年10月11日 | ||
原木ブナハリタケ(露地) | 平成24年10月31日 | ||
原木ナメコ(露地) | 平成24年11月2日 | ||
原木クリタケ(露地) | 平成24年11月2日 | ||
原木ムキタケ(露地) | 平成24年11月21日 | ||
山菜類 | タラノメ(野生) | 平成24年5月11日 | |
ゼンマイ | 平成24年5月16日 | ||
ミズ(野生) | 平成24年5月16日 | ||
セリ(野生) | 平成24年5月30日 | ||
タケノコ | 平成24年5月31日 | ||
内水面魚類 | ヤマメ | 平成24年4月1日(注1) | |
イワナ(養殖を除く) | 平成24年5月8日(注2) | ||
ウグイ | 平成24年5月11日(注3) |
- ※注1…磐井川が対象
- ※注2…磐井川、砂鉄川(どちらも支流を含む)が対象
- ※注3…北上川水系(磐井川、砂鉄川などの支流を含む)、大川(支流を含む)が対象
県が「コゴミ」と「ワラビ」の全市町村調査を実施
県は、山菜類の放射性物質に対する不安を拭い去るため、県内全市町村を対象に、今春に収穫される山菜の放射性物質濃度測定を行います。
全市町村調査の指定品目は、市場流通時期が早い「コゴミ」と流通量の多い「ワラビ」の2品目。
市町村ごとに採取したものを県が測定します。
測定結果は、出荷制限などの状況と合わせて県ホームページなどで公表されます。
市は生産者の不安解消を目指し引き続き簡易測定を実施
市民などから依頼を受けて実施している市の農林産物放射性物質濃度の測定(簡易測定)は、出荷制限などの対象品目を除き、今後も測定を受け付けます。
市の簡易測定で基準値の2分の1を超過した検体は、県に精密測定を依頼して安全性を確認することになります。
放射能測定情報はこちらから
- 岩手県ホームページ「環境放射能に関する情報」(福島第一・第二原子力発電所事故関係)などhttps://www.pref.iwate.jp/
問い合わせ先
- 山菜類について 本庁農地林務課TEL0191-21-2111(内8436)
- 測定依頼について 本庁農政課TEL0191-21-2111(内8427)
広報いちのせき「I-Style」 平成25年3月15日号