ぶなの雫 (1)

市長 浅井東兵衛 私の一日は、毎朝のウオーキングから始まります。行きは須川岳、帰りは舞川の烏兎ヶ森を眺めながら30分ほど早足で家の近くを歩きます。春にはフキノトウや木々の芽吹き、夏は山の緑、秋は紅葉。季節を感じることで心が癒され、気力が充実してくるのが分かります。
 また、欠かせないのが、仰ぎ見る須川岳に「おはよう」と声を掛けることです。
 須川岳はいわば、この一関の「父なる山」。寒さの中に厳然とそびえる冬の姿は雄雄しく、いつもどっしりと私たちを見守ってくれている様は、まさに頼りがいのある父のような存在だと思います。そして東に端麗にたたずむ室根山は、ゆるやかでやさしい山容と美しいツツジで彩られた「母なる山」といえるでしょう。
 これら二つの山、そしてその中を悠然と流れる北上川。わがふるさと一関は、本当に素晴らしい自然に恵まれた地域だなあと思います。この誇れる豊かな自然を守り育て、次の世代にしっかり手渡さなければならない―つくづくそう感じているこのごろです。

(広報いちのせき平成19年6月1日号)