平泉文化の理解を深める

平泉文化についてわかりやすく講演した中尊寺山田貫首会場の松川公民館は参加者で満員。関心の高さがうかがえました

いわて東山歴史文化振興会(佐藤育郎会長)が主催する歴史文化講演会は11月22日、松川公民館で行われました。中尊寺の山田俊和貫首を講師に招き、市内外から訪れた約150人が聴講しました。
山田貫首は冒頭、東山町特産の東山和紙や磐井清水若水送りについて触れ、「若水を届けていただいてありがたい」と話し講演をスタート。中尊寺建立の意図が記された「中尊寺建立供養願文」に込められた平和への強い願いなどについて、わかりやすく解説し、「藤原清衡公は敵も味方も関係なく、皆平等に、一緒に浄土に導きたいという考え方をしていた」と平泉文化の浄土思想について語りました。
熱心に講演を聞いた参加者は、世界遺産登録への再挑戦に向け、理解を深めていました。
講演終了後、山田貫首は参加者とともに松川公民館脇の収蔵庫に安置されている県指定有形文化財二十五菩薩像を拝観。「大変立派な仏像」と話していました。

地域の資源や課題を探る

現地調査で発見した「地域の宝」を記入した地図を作成

大東町曽慶地区の地域資源の発掘や課題解決を目的とした「地区点検」は11月24日、岩手大学と市、同地区、NPO法人どんぐり協会による協働で行われました。約50人の参加者は6グループに分かれ、地域を歩いて棚田や歴史文化を伝える石碑などの写真を撮影。その後室内で子や孫に教えたいことや残しておきたい自然景観などを地図上に書き込む、地域資源マップの作製に取り組みました。地区内のお宝や身近な課題などを再確認した参加者。この内容は今後、地区のビジョンづくりに生かしていく予定です。

手ごたえ感じた建築の技

技能五輪全国大会建築大工部門で銀賞を受賞した小野寺剛さん

技能五輪全国大会の建築大工部門は11月1日から2日間、千葉市の幕張メッセを会場に催され、県代表として出場した小野寺剛さん(22)=千厩町=が見事、銀賞に輝きました。競技では、複雑な形状で高度な技術が求められる「正六角形小屋組(写真)」を作製。原寸図、墨付け、完成品と段階ごとに厳しい審査を受けます。高い評価を受けた小野寺さんの作品は、一部の隙もなく精密そのもの。残念ながら世界大会出場となる金メダルはわずかな差で逃しましたが、手ごたえ十分の作品で銀メダルをつかみました。

(広報いちのせき平成20年12月15日号)