これまでの経過

磐井川堤防

国では、北上川上流の治水対策のため磐井川堤防改修事業を計画しています。
このため、堤防沿いの市の公共施設の移転や改築などが必要となっていることから市では、堤防改修をまちづくりの好機と捉え、一ノ関駅周辺に公共施設などを効率的・効果的に再配置したり、東西自由通路の開設などにより、中心市街地の活性化にもつなげていきたいと考えました。
そこで市は、まちづくりの基本構想を市民の皆さんとの協働により策定作業を進めてきました。19年5月には庁内に磐井川堤防改修に関わるまちづくり検討委員会を組織して、市民の皆さんと一緒に検討をするためのたたき台「基本構想(素案)」を策定しました。このたたき台をもとに、これまでワークショップやパブリックコメント、市民懇談会、アンケート調査等を実施したほか、一関商工会議所からは提言をいただきました。
昨年5月には、市民の皆さん26人で構成する一ノ関駅周辺整備まちづくり市民検討委員会を設置し、これまでいただいた市民の皆さんの意見・提言を踏まえて検討をお願いし昨年8月、「基本構想(案)」を策定していただきました。
この「基本構想(案)」では、検討委員会の合意事項として、「市が多額の費用を負担し駅舎建設するには、現段階では市民の合意は得られない。したがって駅舎建設は行わない」「東西自由通路は駅舎建設とは切り離し、建設が可能な場合には建設する。建設不可能な場合には、アンケート結果からも要望が多いことから、現在のこ線橋を自由に通行できるような代替案を検討すべきである(たとえば無料パス券など)」などとなっています。
また、市議会では一ノ関駅周辺整備等大規模事業調査特別委員会を設置し調査が行われましたが、その報告書では「事業内容、事業費総額ともに妥当との結論には至らなかった」などとしています。

これからの方針

市は、これまでの経過などを総合的に検討した結果、当初の「基本構想(素案)」で示した複合施設や駅舎改築については見直し、これからの方針を下表のとおり定めました。中心市街地の活性化などについて、今後も市民の皆さんと共に検討していきます。

区分これまでの素案これからの方針

東西自由通路

一ノ関駅東口

現在のこ線橋を東西自由通路として活用し、こ線橋を新たに建設する。現在のこ線橋を自由に通行できる方策も併せJRと協議していく。

一ノ関駅舎

橋上駅舎として新たに建設をする。素案で示した市が事業主体となっての駅舎建設は行わない。
複合施設・駐車場複合施設は、現在の駅舎の場所に建設する。駐車場は、西側の駐車場の一部を立体駐車場とし、西側に750台分の駐車場を確保する。素案で示した複合施設・駐車場の建設は行わない。中心市街地のまちづくりのあり方については、協働のまちづくりの中で市民と共に検討していく。

中心市街地の活性化

大町商店街

これまでハード整備に取り組んできたところであり、施設などの基盤はおおむね整備されていることから、拠点施設としての駅に集客される人々をどのようにして商店街へ誘客するかなどのソフト事業を中心に、中心市街地活性化基本計画の中で定めていく。市民と共に中心市街地活性化基本計画の策定を検討する。

図書館

一関図書館

複合施設の中に整備する。これまでの駅周辺整備(複合施設内)と切り離し、図書館を整備する。建設場所については、今後市民と共に検討する。

県立磐井病院跡地の活用

旧県立磐井病院

当分の間取得は困難。県医療局から活用計画があれば更地にしてもよいとの回答を得たことから、公共施設建設の候補地とする。

(広報いちのせき 平成22年2月1日号)