藤沢・本郷地区 本郷のまつり「てど」

手業を伝える地域の祭り「てど」
地域住民が世代を超えて触れ合う

藤沢・本郷地区のまつり「てど」は10月10日、藤沢字八沢の本郷白藤交流館で開かれました。
秋晴れの中、参加した地区民は、それぞれ自慢の手業を披露、世代を超えて和やかに交流を深めました。

「てど」は手業の意味。
工芸や郷土食など、後世へと伝えたい、残したい技をみんなが持ち寄って、世代間交流を推進したり、地域の活性化を図ったりすることが狙いです。
一昨年秋、第10区自治会の祭りとして初めて開かれました。

今年は隣接する同じ本郷地区の第9区と第11区も加わり、本郷のまつり「てど」として開催しました。
同日は、地区外からの参加も多く、約500人でにぎわいました。

祭りは午前9時半に開演。
会場には▼竹とんぼや竹馬などの製作と実演▼本郷神楽の上演▼マーチングバンドや楽器演奏▼バトントワリング▼方言クイズ▼リンゴ、野菜、果樹、花きなどの販売▼衣類やアクセサリーなどフリーマーケットの開設▼アユの塩焼き、切り麦、雑穀ふかし、果報団子、葉焼きなど郷土料理の伝承―など、たくさんの催しやコーナーが設けられ、子供からお年寄りまで多くの人が世代を超えて触れ合う和やかな光景が見られました。

第10区自治会の皆川春雄会長は「自治会では地域の課題を話し合う機会を設けています。
そこで浮上したのが『子供たちとの関わり方』でした。
互いに顔見知りでなければ、教育も防災も成り立たない、それが祭りのきっかけになりました。
祭りを始めてから住民同士の距離が少しずつ縮まっているように思います」と話しています。

アユの塩焼き切り麦みんなで食べれば会話も弾む
郷土料理の伝承も祭りの魅力だ。
アユの塩焼き、切り麦、雑穀ふかし、葉焼きなど、昔懐かしい味がいっぱい。みんなで食べれば会話も弾む

フリーマーケット特産品の販売フリーマーケット
会場ではリンゴ、野菜、果樹、花きなど特産品の販売やフリーマーケットも行われた

竹馬竹細工
竹細工は子供たちに大人気。
竹馬の乗り方を教えたり、竹とんぼの作り方や飛ばし方を実演したりする祖父母の知恵と技術は地域の宝

息の合ったマーチングバンド
息の合ったマーチングバンドでオープニングを飾った藤沢小の児童

自慢のフルートと電子ピアノを披露する女性ユニット
自慢のフルートと電子ピアノを披露する女性ユニット

葉焼き
昔ながらの方法で作られた葉焼きは、大人も子供も大好きなメニュー

皆川春雄さん皆川春雄さん 第10区自治会長

祭りを通して、本郷地区のまとまりを実感できました。
地域コミュニティーを維持することはもちろん、震災など想定外の事態に対応するためにも、地域の絆は必要です。
本郷地区を代表する伝承活動の一つは神楽です。
地域を挙げて長い歴史を築いてきた神楽の技と心を若い世代へ継いでいける「本郷神楽の里」を目指しています。

(広報いちのせき 平成23年11月1日号)