連載 復興への道程「放射線対策編」3
野菜の放射性物質濃度測定
全て基準値以下
農林産物の放射性物質濃度を測定した結果、県の検査でも全て基準値以下でした。
県が「県産農林水産物の放射性物質濃度の検査計画」に基づき実施した一関市産の農産物(8月分)の放射性セシウムは、4品目全てで基準値を下回りました。〈表1〉
また、市民の依頼で市が8月に測定した農林産物は225検体。
食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/キログラム、米や豆類は暫定規制値500ベクレル/キログラム)を超えたものはありませんでした。〈表2〉
<表1> 一関市産野菜の放射性物質濃度検査結果(8月)
品目 | 測定結果 | 検出下限値 |
六条大麦 | 不検出 | 3.9未満 |
小麦(11検体のうち検出は1検体) | 2.8 ベクレル 10 検体は不検出 |
4.2未満 |
モモ(露地) | 不検出 | 18未満 |
ブドウ(露地) | 不検出 | 17未満 |
●測定機関 (果実類)岩手県農業研究センター(麦類)日本冷凍食品検査協会
●測定機器 ゲルマニウム半導体検出器
<表2 >放射性セシウム134と137の合計値の結果区分ごとの検体数(8月)
品目 |
基準値(100 ベクレル/kg)以下の検体数。 ( )内は「不検出」(*注1)検体数 |
基準値(100ベクレル/kg)超過の検体数 | |
穀類 | 米 | 3(3) | 0 |
野菜類 | ジャガイモ | 25(25) | 0 |
カボチャ | 21(21) | 0 | |
ミョウガ | 18(17) | 0 | |
ユウガオ | 16(16) | 0 | |
ナス | 12(12) | 0 | |
ネギ | 12(12) | 0 | |
キュウリ | 9(9) | 0 | |
トウモロコシ | 9(9) | 0 | |
エダマメ | 8(8) | 0 | |
ニンジン | 8(8) | 0 | |
ピーマン | 7(7) | 0 | |
オクラ | 6(6) | 0 | |
トマト | 5(5) | 0 | |
ゴーヤ | 4(4) | 0 | |
大根 | 4(4) | 0 | |
トウガラシ類 | 4(4) | 0 | |
シソ | 3(3) | 0 | |
果実類 |
リンゴ | 10(10) |
0 |
桃 | 4(4) | 0 | |
ブドウ | 3(3) | 0 |
●測定検体数が3以上の品目を一覧
●4月からの食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/kg)に基づき区分。
※注1…「不検出」は検出限界値未満を示し、核種ごとに25ベクレル/kg(40分測定)。
●測定場所 南部農業技術開発センター(花泉町金沢)北部農業技術開発センター(大東町摺沢)
●測定機器 トライアスラーベクレルファインダー(シンチレーション放射線核種測定器による簡易測定)
道路側溝土砂のサンプリング調査
市内114カ所で実施
市は、道路側溝に高濃度の汚染土砂が堆積している可能性があることから「道路側溝土砂のサンプリング調査」を実施し、任意に抽出した市内114カ所の集水ますの空間放射線量と堆積した土砂の放射性物質濃度を測定しました。
その結果、22カ所で指定廃棄物とされる1キログラム当たり8000ベクレルを超える土砂が検出されました。
一方、空間放射線量は、80カ所で毎時0.23マイクロシーベルトを下回り、34カ所で上回りました。
最高値は毎時0.54マイクロシーベルトでした。
追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト(毎時0.23マイクロシーベルト)以下にすることが市除染実施計画の目標です。
しかし、毎時0.23マイクロシーベルトを超えた場合でも、周辺住民が受ける追加被ばく線量は年間1ミリシーベルトにならないと判断しています。
いまだ国から土砂の処分方策が示されていないことから、市は側溝の泥上げを実施することができません。
秋の一斉清掃でも実施しない予定です。
市は今回の結果を国や県に示して、側溝土砂の処理方策の提示を求めたり、処理費用に対する助成制度の創設を働きかけたりしています。
放射能測定情報はこちらから
●市ホームページ「環境放射能に関する情報」(福島第一原子力発電所事故関係)
http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/index.cfm/1,0,157,html
●岩手県ホームページhttps://www.pref.iwate.jp/
「環境放射能に関する情報」(福島第一・第二原子力発電所事故関係)など
<問い合わせ先>
本庁放射能対策室TEL0191-21-8331
広報いちのせき「I-Style」 平成24年9月15日号