心肺蘇生を望まない方への救急隊の対応について(一関市消防本部)

背景

 重篤な疾患などで人生の最終段階にある方の中には、事前に家族や医療・ケア関係者と話し合うACP(人生会議)を行い、自分が心肺停止になった場合に、延命処置を望まず自宅などで最期を迎える意思を持っている方がいらっしゃいます。

 しかし、万が一、慌てた家族や事情を知らない親族などが119番をかけて救急車を要請した時には、救急隊は生命の危機となっている傷病者を確認した以上、心肺蘇生を行うなど法令上、医療機関へ搬送しなければならない責務があり、傷病者の意思に沿うことは出来ないのが現状の課題となっています。

 

課題への見直し

 課題解決のため、一関市消防本部では救急医療や在宅・訪問介護の各専門医と検討を重ね、心肺蘇生を望まない傷病者の意思に寄り添った活動ができるよう、活動手順の見直しを行いました。

 救急隊が救急現場で以下の項目を確認した場合は、心肺蘇生などの救命処置は行わず、かかりつけ医に引き継ぐことが可能となります。

 この救急隊の活動は一関地域メディカルコントロール協議会において承認され、令和6年10月1日から開始します。

 

【救急隊の確認項目】

・ 家族などから「指示書※」が提示された場合は、救急隊はかかりつけ医に連絡します。

  かかりつけ医の指示を受けて心肺蘇生を中止します。

  ※指示書とは:本人や家族などとかかりつけ医の間で、心肺蘇生を行わないことの意思表示や事前指示について作成した文書

 

・ 心肺蘇生中止後に、かかりつけ医や訪問看護師が救急現場に到着した場合(概ね1時間以内)に限り、搬送せずに医師などへ引継ぎます。

 

  〇救急活動の流れはこちらからご覧いただけます。(PDF)