記念館概要
わが国の刑法思想の先駆者・芦東山(1696-1776)の資料を収集・保存・展示する「芦東山記念館」=大東町渋民=が平成19年10月1日(月)開館しました。先人の独立した記念館としては市内で初めての施設。
記念館は、大東町渋民字伊勢堂地内に、市が平成17、18年度に総事業費約3億2000万円を投じて建設しました。
一関市の母なる山、室根山を仰ぎ見る4888平方メートルの敷地に建てられた建物は鉄筋コンクリート平屋、床面積539.91平方メートルで外観は蔵をイメージ。内装には150年以上前に建てられた商家の古材をふんだんに活用し、常設展示室(171平方メートル)、企画展示室(64平方メートル)、ホール、研修室、収蔵庫などを備えています。
周辺には、芦東山の生家や墓地、終焉の地などゆかりの地が10カ所ほど点在し、室根山を眺めながら、気持ちのよい散策も楽しめます。
※芦東山についてもう少し詳しく知りたい方はこちらをクリックしてください。
館内平面図
常設展示室
常設展示室に入ると、幅約4メートルスクリーンにガイダンス映像が音声とともに浮かび上がり、来館者を迎えます。床面には、東山が学んだ儒学の言葉「孝・悌・忠・義・礼・仁・智・信」が照らし出されています。壁面の展示は、「学びの時代」「仙台・江戸仕官時代」「幽居時代」「渋民時代」「東山を慕う人々」など時系列に沿った六つのテーマごとに直筆の書簡、模型、年表などを駆使して、東山の生涯や業績をたどることができます。著書「無刑録」は原本(レプリカ)と元老院版が展示され、常に庶民や弱者の擁護を念頭に置く東山の、人間愛と儒学者としての信念に貫かれた人間像を浮き彫りにします。
これらの展示は、(社)日本ディスプレイデザイン協会主催のディスプレイデザイン賞(※)2007で、大賞に次ぐ優秀賞に輝きました(他の優秀賞受賞作品は、「新丸ビル環境デザイン」「ミキモト本店ウィンドウディスプレイ」など)。※空間環境の優秀な作品を評価、公表し、ディスプレイ分野における新しい作家の発掘、デザイン活動の向上、領域拡大を目指し、さまざまな分野のディスプレイ作品を選奨し、表彰する総合コンテスト。
企画展示室
定期的に、歴史・芸術など親しみあるテーマで特別展などを開催します。
芦東山顕彰碑
「無刑録」の書名は、「書経」の一節『刑は刑無きを期す』からつけられたものです。記念館前庭にあります。
ホール
パソコンを使ったQ&Aコーナーもあります。全部で40問。クイズ形式で小中学生でも楽しく勉強できます。