「近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい」
とは、「農民芸術概論綱要」中にある賢治のことばです。
賢治自らの農民芸術論を構想していく拠りどころの明確な指摘だと云えます。
アインシュタインで代表できる近代科学の成果を踏まえ、そこから展開される
賢治の宇宙論、四次元論。
一方、法華経を軸にしながらも「歴史や宗教の位置を全く変換しようと企図」
する彼独自の宗教論。
そして彼自身のするどい直観力による、それらの綜合。
この賢治の深層に迫るべく一途に取り組んでこられた賢治研究者 斉藤文一理学
博士の蒐集による貴重な文献を寄贈いただき、ここにパート1「斉藤文一文庫」
が誕生いたしました。
また、賢治を工場技師に招いた工場主鈴木東蔵及びその長男鈴木實氏(第7回
イーハトーブ賞奨励賞受賞者)からの受贈図書を整理したパート2「鈴木東蔵
・實文庫」を併せた双思堂文庫です。
そのいずれもが深く宮沢賢治との接点をもち、それぞれの視点から賢治思想の
解明に迫ろうとした足跡明らかな資料は、きっとあなたの課題追究を支えてく
れることでしょう。
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