宇宙の謎を解く夢のプロジェクト ILC(国際リニアコライダー)に理解を深める

畠山博藤沢地域自治区長ら市の幹部と担当職員19人は11月11日、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪れ、素粒子の現象を調べる「加速器」について学びました。

KEKが開発した「KEKB加速器」は1周3キロの円形加速器。
電子や陽電子を光速に近いスピードで衝突させ、その際に発生する大量の素粒子を調べる装置です。
同加速器を使った小林誠、益川敏英両博士の研究は08年ノーベル物理学賞を受賞しました。

加速器には円形加速器のほかに直線加速器(リニアコライダー)があります。
ILC(国際リニアコライダー)計画は、地下約100メートルの地点に全長30~50キロのトンネルを建設し、直線加速器などを設置する大規模研究施設で、世界中の研究者がその実現を目指す夢のプロジェクト。
実現すれば、ビッグバンによって宇宙が誕生した137億年前までさかのぼり、物質の成り立ちや生命体活動の仕組み解明に関する研究が行われます。

施設建設地の条件は、数十キロにも及ぶ硬くて安定した岩盤で、現在、北上高地が候補地の一つに挙げられています。
世界最先端の研究施設が北上高地に造られることになれば、世界各国から多くの研究者が集まったり、関連産業が立地したりして、産業の振興や経済の発展が期待されます。

東大名誉教授の山田作衛KEK名誉教授は「海外との誘致競争、国内候補地の選定、そこから建設までは10年以上かかる。
北上高地の岩盤は良質で、国内では他より有利だと思う」と話しています。

KEKの職員からILCについて説明を受ける市の幹部と担当職員
KEKの職員からILCについて説明を受ける市の幹部と担当職員

いちのせきの広報誌「I-style」1月1日号