ふるさとを「なじょにかすっぺ」と仕掛けた「岩手の桑茶」

佐藤公一さん

「いわいの里」ふるさとづくり研究会
佐藤公一(こういち)さん

金融機関勤務を経て3年前大東町にUターン。

水稲100アール栽培の傍ら、同会副会長兼事務局長として桑食品の製品化などに奔走。

53歳

つて養蚕が盛んだった東磐井地方。養蚕農家が減る一方で、耕作放棄された桑畑が見受けられます。血糖値の上昇を抑制する物質が含まれることが知られ、各方面で研究が進められている桑葉の可能性に着目した地域おこしを進めているのが、佐藤公一さんです。

「メンバーを募るために、『この地域をなじょにかすっぺ』と書いたチラシを地域に回しました」と佐藤さん。県南の自然豊かな里山の恵み、地域資源を有効活用し、生きがいのあるふるさと作りを目指そうとの呼びかけに賛同の声が上がり、19年4月、「いわいの里」ふるさとづくり研究会(金秀弥会長、会員33人)が設立されました。

に着目した理由は「地域にふんだんにあるのに利用されていない資源。先進地を視察し、これなら自分たちでもできると思ったから」。大東町内の農家が摘み取った桑葉を原料に同年9月、桑茶の試作品が完成。市の農業祭、商工祭などのイベントに参加し試飲会を行う過程で市内・県内外の関係者と知り合い、クッキー、こんにゃく、まんじゅうなど桑を原料とした各種の加工品が生まれる端緒になりました。

穫、加工、物産展と飛び回る佐藤さんですが「夢があるから疲れない」。生産農家の声、消費者の声の両方に耳を傾ける、産業おこしの仕掛け人です。

(広報いちのせき平成20年8月15日号)