一ノ関駅周辺整備まちづくりアンケート
基本構想(案)策定に活用
市は、一ノ関駅周辺整備基本構想(素案)について、本年4月から5月にかけアンケート調査を実施しました。
本号では、アンケート結果がまとまりましたのでその概要と調査の際にも示した素案についての概算事業費や財源内訳についてお知らせします。
アンケート調査の趣旨
国は、北上川上流の治水対策として、磐井川堤防改修事業を計画しているため、堤防沿いの市の公共施設の移転改築が必要となっています。
このため市では、堤防改修をまちづくりの好機ととらえ、一ノ関駅周辺に公共施設等を効率的・効果的に再配置したり、東西自由通路を開設するなどし、中心市街地の活性化にもつなげていきたいと考え、市民の皆さんとの協働作業により基本構想を策定することとしています。
構想は平成19年、市役所内部に磐井川堤防改修にかかわるまちづくり検討委員会を立ち上げ、市民の皆さんと一緒に検討をするための、たたき台「基本構想(素案)」を作成しました。
これまで、ワークショップやパブリックコメント、市民懇談会などを実施。たたき台をもとに市民の皆さんから意見・提言をいただいているほか、一関商工会議所から提言書をいただいており、これらを基に構想を仕上げていきますが、より多くの市民の皆さんからご意見をいただくため、アンケート調査を実施しました。
アンケート調査の概要
アンケートは、▽無作為に抽出した市民3750人に対する郵送による調査▽一関地域の高等学校に依頼した高校生250人に対する調査▽一ノ関駅400人、一関図書館101人、一関勤労青少年ホーム53人、一関市女性センター53人の利用者に対する面接調査-の合計4607人を対象に実施しました。回答は郵送が1609人、回収率42.9パーセント、その他は100パーセントの回収率で、合計2466人からの回答がありました。回答者の構成は図1から図3のとおりです。
図1 回答者の男女別
図2 回答者の年代
図3 回答者の居住地
主な問と結果
アンケートの問は全部で25項目(一ノ関駅利用者に対しては一部省略しています)でした。主な問と回答結果などは次のとおりです。
問1
現在の一ノ関駅周辺や大町など中心市街地の印象について…図4
結果1
「にぎわいがなくなっている」「活性化が必要でないか」という回答が68パーセントとなっています
問2
現在の一ノ関駅周辺や大町など中心市街地に必要だと思う施設などの整備について…図5
結果2
「駐車場、空き店舗の有効活用・既存店舗・商店街のリニューアル、食料品・日用雑貨を取り扱うスーパーマーケット、ショッピングモール・ショッピングセンターが必要」との回答が多いようです。
問3
中心市街地ににぎわい(回遊)を取り戻す方法はどうあればよいか…図6
結果3
「商店の魅力を高める」との回答が53パーセントと最も多くなっています。
問4
一ノ関駅周辺整備について、現在の構想素案どおり進めることについて…図7
結果4
「この機会に一ノ関駅を他の施設と併せ一体的に整備すべき」との回答が56パーセント。「駅舎改築はJRが行うべきで、今回の整備とは切り離し、複合施設と東西自由通路を中心に整備を進めるべき」との回答が31パーセントでした。
問5
公共施設の再配置について、どちらの考えに近いかについて…図8
結果5
「公共施設は交通の便の良い一ノ関駅周辺に集約した方がよい。中心市街地のにぎわいを作るには、消費者のニーズに合った魅力のある商店街づくりが重要」との回答が53パーセント。「一ノ関駅周辺1カ所に集約しても中心市街地の活性化には結びつかないことから、分散配置をして中心市街地を活性化させるべき」との回答が35パーセントでした。
問6
一ノ関駅周辺に集約しようとしている公共施設などについて…図9
結果6
「駅周辺の複合施設に集約した方がよい」との回答が多い施設は、図書館、観光関係機能、多目的ホール。「分散させた方がよい」との回答が多い施設は、市民活動センター、公民館、女性センター、勤労青少年ホーム、子育てサポートセンター、老人福祉センター、会議室となりました。
アンケート結果の活用
アンケート結果は、市民26人で構成している一ノ関駅周辺整備まちづくり市民検討委員会での「基本構想(案)」の策定作業に活用していくことにしています。
また、同検討委員会では、同時にこれまで実施した懇談会やパブリックコメントなど、市民の皆さんからいただいたご意見、ご提言を総合的に勘案して策定していくこととしています。
最終的な基本構想は、同検討委員会の案を基に、市長が議会の意見も踏まえて、策定することとしています。
※アンケート結果の詳細については、本庁企画調整課および市ホームページで公開しています。
一ノ関駅周辺整備基本構想(素案)の内容
- 現在の一ノ関駅舎の場所に、複合施設を建設
複合施設には、図書館、公民館、女性センター、勤労青少年ホーム、市民活動センター、子育てサポートセンター、観光案内など観光情報発信機能、老人福祉センターなどの各機能を集約 - 一ノ関駅舎は、線路の上に移転新築(橋上駅舎)
- 東西自由通路を整備(東口と西口を自由に行き来できるように)
- 750台分の駐車場を整備
- 概算事業費 約132億円
(複合施設、一ノ関駅舎の橋上化、東西自由通路、駐車場、用地費、設計費などを含む)
【概算事業費の財源内訳】
▽国庫補助金 34億円(まちづくり交付金)
▽合併特例債 92億円(借金ですが、元利償還金の70パーセントが事業実施年度以降に地方交付税で措置される)
▽一般財源 6億円(市が事業年度に負担する分)
※市の負担は、一般財源6億円と合併特例債の元利償還額30億円(元利償還総額102億円のうち地方交付税で事業実施年度以降に措置される70パーセント分を差し引いた額)の合計36億円となります。ただし、JRの負担(負担金額は今後協議のうえ決定)、堤防改修事業にかかわる移転補償費(金額は未定)などが発生しますので、その金額が36億円から軽減されます。
これまでの主な経過
平成19年
磐井川堤防改修にかかわるまちづくり検討委員会を庁内に設置。素案の取りまとめ
平成20年11月~12月
一ノ関駅周辺の整備に関する市民懇談会、関係団体などとの懇談会を開催し素案の概略説明と懇談を実施
平成21年1月~3月
一ノ関駅周辺の整備に関するワークショツプの開催
平成21年3月~4月
一ノ関駅周辺の整備に関するパブリックコメントの実施
平成21年3月
市議会が一ノ関駅周辺整備等大規模事業調査特別委員会を設置
平成21年3月
一関商工会議所が一ノ関駅前周辺整備に関する提言
平成21年4月~5月
磐井川堤防改修にかかわるまちづくり(一ノ関駅周辺整備)アンケート調査
平成21年5月
一ノ関駅周辺整備まちづくり市民検討委員会を設置
平成21年6月
一ノ関駅周辺の整備に関する住民懇談会を開催し、基本構想(素案)の内容やワークショップの提言などの説明と懇談を実施
(広報いちのせき 平成21年8月1日号)