Profile№25 松川の眠り観音

松川の眠り観音
美しき祈りの文化
 この如意輪観音は、東山町松川字三室にあります。
江戸時代中期の宝暦年代に建立と伝えられ、およそ230年前の天明の大飢饉のころから参拝者が増え、相川や磐清水からも訪れたとの記録が残っています。
 三十三観音の中でも六観音に数えられる如意輪観音。心地よく眠るような姿から「眠り観音」と呼ばれ、子どもの夜泣きがやみ、丈夫に育つようにと地域の信仰を集めました。
 お枕と呼ばれるお手玉のような朱い糠袋を供えて祈り、先に供えられていたお枕を借りて子どもの枕元に。
その子が大きく育ったら新しいお枕を供えてお礼参り―という、美しい祈りの文化が今に伝えられています。
【取材協力】眠り観音別当 石川重幸さん
【アクセス】東磐交通三室バス停前

(広報いちのせき 平成22年7月1日号)