石塔婆(建長の碑):川崎町 

川崎町門崎の最明寺境内にある岩手県最古の石塔婆。岩手県有形文化財に指定
石塔婆とは、鎌倉から室町時代に死者の冥福を祈るために建てられた石造りの卒塔婆のことで、板碑とも呼ばれています。
関東地方で始まり、東北地方にも伝わりました。
基本的な構造は、板状にした石材に種子(凡字)や被供される人の名前、供養年月日、供養内容を刻んだもので、種子だけのものも多く見られます。
川崎町門崎字石蔵の最明寺境内には建長8(1256)年に建立された石塔婆があります。
この石塔婆は粘板岩製の双式碑で、向かって右の碑は地上からの高さが115センチ、金剛界大日如来の種子の下に「建長八年丙辰二月廿九日」と、左の碑は高さ97センチ、胎蔵界大日如来の種子の下に「右志者為父母二親也」と、それぞれ銘が刻まれています。
大日信仰を示したものとして、特に貴重な資料的価値があるとされています。
石材は、石巻の稲井石といわれています。石巻で求め、北上川を運送されたものと思われます。
稲井石は細工が容易で、昔から石碑に使われていたといわれています。
この地は、文治5(1189)年、葛西清重が源頼朝から拝領した、黄海保に含まれていたといわれており、鎌倉時代のこの地域を考える上でも重要です。
東北地方における石塔婆としては、福島県にある建長2(1250)年、同4年、同5年に次ぐ古さ。
岩手県最古の碑であり、類例の少ない双式碑であることから昭和50年3月、岩手県有形文化財に指定されていますす。

一関市博物館案内

「和算に挑戦」への応募過去最多の1363人

広報12月1日号でご案内した第9回「和算に挑戦」、解いてみましたか?
今回は、過去最多となる1363人からの応募がありました。
北海道から福岡県、アメリカからも解答が寄せられ、小学1年生から87歳までと幅広い年代の皆さんに取り組んでいただきました。
解答総数は1590件、正解率は、初級が約71パーセント、中級は約80パーセント、上級は約55パーセントでした。
代表的な解答や感想をまとめた解答集のほか、受賞者、正解者の氏名などは、博物館でご覧いただけます。
また、今回の問題が載っていた和算の本や関連資料などを、5月末まで展示していますので、ぜひおいでください。
解答例は、博物館で配布しているほか、ホームページでもご覧いただけます。
初級問題(小・中学生向き)
【問題】
米をたくわえた蔵があります。
蔵の中から、初日に1石を出します。
次の日に3石、また次の日に7石、その次の日に11石、その次の日に15石を出す、というように米を出していくと、30日で蔵は空になりました。
はじめに入っていた米は何石でしょうか。

※石は、米をはかる単位(1石=10斗=100升)

【答え】
1712石
 (広報いちのせき 平成23年3月1日号)