市は継続して農林水産物の放射性物質を測定しているほか、
夏休み期間を利用して学校等施設の除染工事を急ピッチで進めています。

4品目で基準値を超える

県が「県産農林水産物の放射性物質濃度の検査計画」に基づき実施した一関市産の農産物(7月分)の放射性セシウムは、4品目4検体全てで不検出でした。〈表1〉
 
また、市民の依頼で市が7月に測定した農林産物は350検体。
そのうちブルーベリー、どくだみ、柿の葉、そばの4品目4検体で食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/kg、米や豆類は暫定規制値500ベクレル/kg)を超えましたが、野菜類268検体は全て不検出でした。〈表2〉

<表1> 一関市産野菜の放射性物質濃度検査結果(7月)
品目 測定結果 検出下限値
 ホウレンソウ(ハウス)  不検出  19 未満
 タマネギ(露地)  不検出  14 未満
 サヤインゲン(露地)  不検出  17 未満
 二条大麦  不検出  3.6 未満

●測定機関 (野菜類)岩手県農業研究センター(麦類)日本冷凍食品検査協会
●測定機器 ゲルマニウム半導体検出

<表2 >放射性セシウム134と137の合計値の結果区分ごとの検体数(7月)
品目 

基準値(100 ベクレル/kg)以下の検体数。

( )内は「不検出」(*注1)検体数

基準値(100ベクレル/kg)超過の検体数
野菜類 ジャガイモ 61(61) 0
タマネギ 25(25) 0
キュウリ  24(24)  0
ニンニク  15(15)  0
カボチャ  14(14)  0
ナス 12(12)  0
キャベツ  11(11)  0
シソ  10(10)  0
ニンジン  10(10)  0
トウモロコシ  9( 9)  0
サヤインゲン  7( 7)  0
大根  7( 7)  0
ズッキーニ  6( 6)  0
白菜  6( 6)  0
モロヘイヤ  5( 5)  0
ユウガオ  5( 5)  0
ツルムラサキ  4( 4)  0
ネギ  4( 4)  0
果実類 ブルーベリー  30(29)  1(*注2)
梅  25(21)  0
スモモ  5( 5)  0
桃  4( 4)  0

●測定検体数が4以上の品目を一覧
●4 月からの食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/kg)に基づき区分。
※注1…「不検出」は検出限界値未満を示し、核種ごとに25ベクレル/kg(40 分測定)。
※注2…超過した1検体は自家用
●測定場所 南部農業技術開発センター(花泉町金沢)北部農業技術開発センター(大東町摺沢)
●測定機器 トライアスラーベクレルファインダー(シンチレーション放射線核種測定器による簡易測定)

夏休み中に学校などを除染

市は「一関市除染実施計画」に基づく学校等施設除染工事を進めています。
 
対象は、今春実施した「第5回学校等における一斉測定」で校・園庭の平均空間線量率が毎時0・23マイクロシーベルト以上の32施設。
国の補助を受けながら、被ばく線量の低減対策を進めています。

除染方法は、国のガイドラインに沿い、(1)重機で校・園庭の表土を5センチ剥ぎ取る(2)剥ぎ取った表土を深さ1・6メートルの穴に埋設する(3)遮水シートで覆い、その上に掘削した下層の土を30センチ盛って遮蔽する(4)校・園庭全体を5センチの山砂で整地する―です。

5月22日の新沼保育園を皮切りに始まった作業は8月5日現在、幼稚園2園、保育園5園の7施設で工事が完了。
ほとんどの施設で夏休み中の工事完了を目指しています。

このうち萩荘小校庭では、地元萩荘の(株)スガノ建設(菅原治道社長)の作業員約10人が連日、猛暑の中で大型重機などを使って表土を除去し、山砂を盛って整地する作業に当たっています。
菅原社長は「子供たちが校庭で元気いっぱい遊んだり、運動したりできるよう、急ピッチで工事を進めています」と話しています。

市教育委員会は「施工後の線量率は、いずれも0・1マイクロシーベルト未満になりました」と効果を実感しています。

剥ぎ取り 
剥ぎ取った表土を校庭の一角に埋設し、遮水シートで覆う 

重機を使って整地
重機を使った整地作業

放射能測定情報はこちらから

●市ホームページ「環境放射能に関する情報」(福島第一原子力発電所事故関係)
http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/index.cfm/1,0,157,html
●岩手県ホームページ「環境放射能に関する情報」(福島第一・第二原子力発電所事故関係)など
http://www.pref.iwate.jp/

広報いちのせき「I-Style」 平成24年8月15日号