復興への道程
公共施設などの空間放射線量
前年から約30%減衰
第2回公共施設、公園、自治集会所などにおける空間放射線量の測定が行われ、
毎時0.23マイクロシーベルト以上の施設は、293施設から70施設に減少しました。
空間放射線量の昨年度からの推移を調査
市は、昨年10月から11月にかけて公共施設や自治集会所など835施設で測定した平均的な空間線量率が、その後、どのように推移しているかを知るために測定調査を行いました。
この測定は、除染実施計画の取り組みを進めるためのデータ収集を兼ねたものです。
◇調査対象施設
公共施設290施設、公園131施設、自治集会所など414施設
◇測定期間
6月26日~8月28日
全体の92%は毎時0.23マイクロシーベルト以下
玄関前や駐車場など生活空間と捉えられる箇所で平均的な空間線量率を測定した結果、765施設(全体の92%)が毎時0.23マイクロシーベルト以下でした。
毎時0.23マイクロシーベルトを上回った施設は70施設。
最も高い所で毎時0.33マイクロシーベルトでした。
昨年の測定値と比較すると毎時0.23マイクロシーベルト以上の施設は、293施設から70施設へ大幅に減少。
測定値の割合にして平均30%減衰していることがわかりました。
今後は、このデータに基づき公園や社会体育施設の除染を行います。
詳しい数値については、本庁生活環境課、各支所市民課、各地域の公民館に一覧表を備えているほか、市ホームページでも確認できます。
第2回公共施設等における放射線量測定結果一覧表
地域 | 区分 | 測定施設数 | 0.23μsv 以上の施設数 (測定高1m、公園は50cm) |
||
本年度 | 増減 | 前年度 | 本年度 | ||
一関 | 公共施設 | 59 | 12 | 1 | |
公園 | 59 | 2 |
34 |
14 | |
自治集会所 |
147 |
3 |
42 | 3 | |
計 |
265 |
5 | 88 |
18 |
|
花泉 | 公共施設 | 33 | 11 | 4 | |
公園 | 5 | 2 | 1 | ||
自治集会所 | 83 | ▲2 | 25 | 5 | |
計 | 121 | ▲2 | 38 | 10 | |
大東 | 公共施設 | 38 | 2 | 0 | |
公園 | 11 | 6 | 0 | ||
自治集会所 | 79 | 5 | 0 | ||
計 | 128 | 13 | 0 | ||
千厩 | 公共施設 | 29 | 7 | 5 | |
公園 | 15 | ▲2 | 16 | 11 | |
自治集会所 | 33 | 20 | 2 | ||
計 | 77 | ▲2 | 43 | 18 | |
東山 | 公共施設 | 27 | 10 | 1 | |
公園 | 15 | 12 | 1 | ||
自治集会所 | 17 | 2 | 0 | ||
計 | 59 | 24 | 2 | ||
室根 | 公共施設 | 33 | 18 | 4 | |
公園 | 1 | 1 | 0 | ||
自治集会所 | 0 | 0 | 0 | ||
計 | 34 | 19 | 4 | ||
川崎 | 公共施設 | 14 | 3 | 1 | |
公園 | 14 | 14 | 10 | ||
自治集会所 | 24 | 11 | 2 | ||
計 | 52 | 28 | 13 | ||
藤沢 | 公共施設 | 57 | ▲1 | 18 | 2 |
公園 | 11 | 7 | 1 | ||
自治集会所 | 31 | 15 | 2 | ||
計 | 99 | ▲1 | 40 | 5 | |
合計 | 公共施設 | 290 | ▲1 | 81 | 18 |
公園 | 131 | 92 | 38 | ||
自治集会所 | 414 | 1 | 120 | 14 | |
計 | 835 | 0 | 293 | 70 |
問い合わせ
放射線対策室0191-21-8331
放射能測定情報はこちらから
●岩手県ホームページ https://www.pref.iwate.jp/
「環境放射能に関する情報」(福島第一・第二原子力発電所事故関係)など
農林産物の放射性物質濃度測定
野菜・果実類は全て基準値以下
出荷前検査で基準値以下になった区域のソバと大豆は自粛要請が解除されました。
県は、基準値を超える放射性セシウムが検出された露地栽培原木むきたけの出荷自粛を要請しました。
ソバの検査終了
大豆は順次自粛解除へ
県の「県産農林水産物の放射性物質濃度の検査計画」に基づき、ソバと大豆は検査終了まで出荷の自粛が要請されています。
ソバの出荷前検査は10月から、大豆は11月から販売用のそれらを栽培している区域(昭和25年当時の旧市町村)ごとに行われています。
検査の結果、基準値以下になった区域のソバと大豆は順次自粛要請が解除され、出荷・販売が可能になっています。
●ソバ…販売用ソバを生産している12の旧市町村を検査区域とした検査の結果は、11月22日までに全て公表されました。
◇出荷・販売が可能になった区域…【一関】旧舞川村、旧萩荘村【大東】旧興田村、旧猿沢村【千厩】旧奥玉村、旧磐清水村【東山】旧長坂村【室根】旧矢越村【藤沢】旧藤沢町、旧黄海村、旧八沢村
◇基準値を超過する放射性物質が検出され、国から出荷制限が指示された区域…【大東】旧大原町
●大豆…市内全域33の旧市町村を区域とした検査のうち、11月末現在の状況は次のとおりです。
◇出荷・販売が可能になった区域…【花泉】旧花泉村【大東】旧猿沢村【東山】旧松川村、旧長坂村、旧田河津村【川崎】旧薄衣村、旧門崎村
◇基準値を超過する放射性物質が検出され、県から出荷などの自粛を継続するよう要請があった区域…【千厩】旧磐清水村
市内農林産物の放射性物質濃度の測定結果
県が11月に行った一関市産農産物の放射性物濃度の検査の結果、放射性セシウムはいずれも不検出でした〈表1〉。
また、市民の依頼により市が11月に測定した農林産物は50品目268検体でした。
このうち、食品衛生法上の基準値(一般食品100ベクレル/kg、豆類は暫定規制値500ベクレル/kg)を超えたものは3品目8検体(野生きのこ類、露地栽培きのこ)でした。
検出されたものの、基準値を下回ったものは39品目128検体、その他の132検体は全て不検出でした〈表2〉。
<表1> 一関市産農産物の放射性物質濃度検査の結果一覧(11月分)
品目 | 測定結果 | 検出下限値 (ベクレル/kg) |
リンゴ(露地) | 不検出 | 16未満 |
シュンギク(ハウス) | 不検出 | 17未満 |
白菜(露地) | 不検出 | 17未満 |
●測定機関:岩手県農業研究センター
●測定機器:ゲルマニウム半導体検出器
<表2> 放射性セシウム134と137の合計値の結果区分ごとの検体数(11月分)
品目 |
基準値 (100ベクレル/ kg)以下の検体数。 ( )内は「不検出」(*注1)検体数 |
基準値 (100ベクレル/kg) 超過の検体数 |
|
穀類 |
タカキビ | 21(10) |
0 |
大豆 | 10(1) | 0 | |
米 | 9(4) | 0 | |
小豆 | 8(2) | 0 | |
エゴマ | 4(2) | 0 | |
ソバ | 4(1) | 0 | |
野菜類 |
白菜 | 29(22) |
0 |
大根 | 26(23) | 0 | |
カボチャ | 8(4) | 0 | |
カブ | 7(6) | 0 | |
ネギ | 6(5) | 0 | |
ゴボウ | 5(3) | 0 | |
サツマイモ | 5(3) | 0 | |
サトイモ | 5(3) | 0 | |
ニンジン | 5(4) | 0 | |
キクイモ | 4(2) | 0 | |
ジャガイモ | 4(2) | 0 | |
ブロッコリー | 4(4) | 0 | |
キャベツ | 3(2) | 0 | |
コンニャク | 3(2) | 0 | |
ヤーコン |
3(2) |
0 | |
果実類 | 柿 | 34(9) | 0 |
キウイフルーツ | 11(1) | 0 | |
イチジク | 3(2) | 0 | |
林産物 | 野生きのこ類 | 8(1) | 4 |
ナメコ(原木露地栽培) | 3(0) |
0 |
|
ムキタケ(原木露地栽培) | 0(0) | 3 |
●測定検体数が3以上の品目を一覧
●測定場所:南部農業技術開発センター、北部農業技術開発センター
●測定機器:トライアスラーベクレルファインダー(シンチレーション放射線核種測定器による簡易測定)
*注1_食品衛生法上の基準値は、一般食品100ベクレル/kg。豆類は暫定規制値500ベクレル/kg
*注2_ 不検出は検出下限値未満を示す。
放射性セシウムの合計が25ベクレル/ kg 以下になるよう測定
栽培きのこ(原木露地栽培むきたけ)が出荷制限
市は、11月に行った簡易測定で基準値の2分の1を超える放射性セシウムが検出された販売用の露地栽培原木むきたけの精密測定を県に依頼しました。
測定の結果、放射性セシウムの合計が590ベクレル/kgで、基準値を超える値が検出されました。
このことから、11月21日付で県から出荷の自粛要請が出されました。
問い合わせ先
一関市役所農政課TEL:0191-21-8427
広報いちのせき「I-Style」 平成24年12月15日号