もち食文化を内外に発信

もち食文化の発信は、古里の価値や魅力を発信することです。
それは、地域の食文化を継承すること、「食と家庭」や「食と地域」の関係を再考することでもあります。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催と和食のユネスコ無形文化遺産登録決定などを受け、今、世界各国の日本に対する注目度が高まっています。

このような中で国は、日本経済再生に向けた3本目の矢である成長戦略「日本再興戦略―JAPANis BACK」で農林水産物と食品の輸出額を12年の4497億円から20年には1兆円にする目標を掲げました。

具体的には、国別・品目別の輸出戦略に基づいて、▼世界の料理界で日本食材の活用推進(Made FROMJapan)▼日本の「食文化・食産業」の海外展開(MadeBY Japan)▼ 日本の農林水産物・食品の輸出(MadeIN Japan)―の取り組みを強力に推進することにしています。
和食という言葉は、洋食に対する言葉として生まれました。
それは単なる料理ではなく、古里を愛し、自然を大切にする日本人の心を象徴する文化です。
古里の自然に育まれた食材、先人の知恵の結晶である調理法、季節感ある盛り付けなどは、長い歴史を重ねて受け継がれてきた伝統文化であり、食文化の発信は、古里の価値や魅力を発信することでもあるのです。

もち食文化を外へ発信するということは、一方で、地元の理解や関心を深め、普及・継承していくことです。
「食と家庭」や「食と地域」の関係を見つめ直したり、再考したりする機会にもつながります。

市内では、一年を通して多彩なイベントが繰り広げられ、「もち食文化」への理解と関心を深めています。

もち三昧で心もおなかも大満足 第4回もちくらべバイキング

ずらりと並んだもち料理を取り皿に盛り付ける参加者
ずらりと並んだもち料理を取り皿に盛り付ける参加者

粘りとコシがある純白のもち。同じもちでもからめる具によって全く違う表情をみせます。

「第4回もちくらべバイキング」(同実行委員会主催)は2月9日、道の駅「厳美渓」で行われ、市内外から訪れた約1,200人のもち好きたちが、趣向を凝らした15種類の具を食べ比べました。

一関地方のもち料理は、あんこ、きなこ、納豆、ごま、ずんだなど300種以上あるといわれています。
同イベントは、食べ放題のバイキング形式。市内のもち料理を提供する4企業が持ち寄った具を、一口サイズのもちにからめて提供されました。
テーブルには、定番のあんこやごまのほか、りんごバターやホースラディッシュ(西洋わさび)などの創作の具も多数並べられ、参加者は取り皿いっぱいに、好みの具を盛り付けていました。

友人と参加した萩荘の渡渕定雄さん(80)は「家では食べられない具もありました。味はどれもおいしいの一言につきます」と満足げに箸を進めていました。

バイキングは、多彩な具を楽しんでもらいながら、一関地方のもち食文化を伝承することがねらい。
同日は、道の駅「厳美渓」もちつき隊「厳餅隊」によるもちつきパフォーマンスも行われ、会場はもち一色となりました。

1おいしいもちを前に笑みがこぼれる 2 3
4 5 6

 

1_おいしいもちを前に笑みがこぼれる
2_渡渕定雄さん(右)
3_多くの人でにぎわう会場
4_厳餅隊によるもちつきパフォーマンス
5_小さな子供ももちに夢中
6_一関産こがねもちを100%使用したつきたてのもち

もちの大食い日本一を競う 第7回全国わんこもち大会

第7回全国わんこもち大会
熱戦となった団体戦

「始め」のかけ声で一斉にもちを口に運ぶ選手たち。
5分間の制限時間内に、あんこ、ずんだ、しょうゆ3種の競技用丸餅(直径3センチ、約20グラム)を次々と平らげます。
「第7回全国わんこもち大会」は2月9日、なのはなプラザで開かれ、団体戦と個人戦で「もちの大食い日本一」が競われました。

大会は、一関地方の「もち料理」をPRする地域活性化イベントで、未来塾(山平功二実行委員長)が主催。
2人一組の団体戦に13チーム、個人戦に13人(男性7人、女性6人)が出場しました。

開会式で勝部修市長は「ユネスコ無形文化遺産への登録が決まった一関のもちを積極的に発信しましょう」と述べ、ゲスト司会者のタレント・ふじポンさんと一口大の競技用丸餅を試食しました。

競技は正午にスタート。序盤、勢いよくもちを平らげ、次々とわんを積み重ねた選手たちも終盤、ペースは失速。
表情をゆがめ、水を飲みながらもちを頬張る選手たちに、家族や友人から「あと少し」「頑張れ」などと盛んな声援が送られていました。

団体戦は、川崎町の岩渕文一さん(55)と金野和則さん(59)のペア「チーム川崎」が101個を平らげ初優勝。
個人戦男性の部は、わんこそば全日本大会優勝経験を持つ大東町の三浦昭夫さん(57)が57個で制し、団体戦出場者を含む個人総合との2冠に輝きました。
個人戦女性の部は、奥州市の菊地美幸さん(33)が30個の大会新記録で優勝しました。

81歳で37個を平らげた川崎町の小野寺忠助さんの娘の夫熊谷泰徳さん(52)=藤沢町=は「高齢なので、のどにつまらせないように、と願う気持ちと、頑張れと応援する気持ちと半々。私も、もちが好きなので、出たかったです」と話していました。

会場ではもちグルメやもちスイーツを販売する「ミニもちサミット」も開かれました。
大盛況のイベントを終え、山平実行委員長(44)は「内容や運営を工夫して、将来は、わんこそば並みの大会規模を目指したいです」と言葉を弾ませていました。

1
 2小野寺忠吉さん 3ふじポンさん 
山平実行委員長  5競技用丸餅

 

1_応援にも力が入る
2_81歳で37個を平らげた小野寺忠吉さん
3_ゲスト司会者のふじポンさん
4_山平実行委員長
5_競技用丸餅

個人男子優勝・総合優勝 三浦昭夫さん(大東町)

三浦昭夫さん

5秒で1個食べるイメージトレーニングをして参加しました。
わんこそばは185杯食べました。2冠はうれしいです。

 

 

女子個人優勝 菊地美幸さん(奥州市)

菊地美幸さん

エントリーした母の代わりに出場しました。30個は予想以上。
新記録に驚きました。競技用丸餅はおいしかったです。

 

 

 

団体優勝 「チーム川崎」岩渕文一さん(川崎町)金野和則さん(同)

「チーム川崎」 岩渕文一さんと金野和則さん

昨年は1個差で2位。今年は意地の優勝です。
優勝は格別。川崎の知名度向上にもつながります。
前半、水をセーブしながら食べることが勝利の秘けつです。 

 

 

 

 広報いちのせき「I-Style」 平成26年3月15日号