ニホンカモシカの「目撃情報」が増えています

最近、ニホンカモシカの目撃情報が多く寄せられています。
ニホンカモシカは人に危害を与える動物ではありませんので、慌てずに見守ってください。

ニホンカモシカは、ウシ科の日本固有の種です。オス・メスとも体格差はなく、体長は100~130cm、体重は30~40kgで、8~15cmほどの角があります。
体色は黒褐色、灰褐色や橙黄色など個体差がありますが、岩手県内では灰褐色のカモシカが多く目撃されています。

岩場や斜面のある森林を好んで生息する反芻(はんすう)性の草食動物で、採餌は主に朝と夕です。
長時間座り込み、動かずに反芻することが多いため、衰弱と間違やすく、「動けない」などの情報が寄せられています。
ニホンカモシカを目撃した場合は、次のような対応をお願いします。

ニホンカモシカ
見かけた場合には、しばらく見守ってください

状況 注意事項
元気な場合

▶しばらく見守る

帰巣本能があります。ほとんどの場合は、時間がたてば巣に帰ります。近づかない、道をふさがない、驚かさないようにし、しばらく見守ってください。

けがや病気と

思われる場合

▶文化財課または最寄りの支所地域振興課へ連絡

交通安全上などの問題がある場合を除き、動かさないでください。文化財課職員または支所地域振興課職員が保護し、自然保護区へ放逐するなど適切に対処します。

死んでいると

思われる場合

▶文化財課または最寄りの支所地域振興課へ連絡

交通安全上などの問題がある場合を除き、動かさないでください。現場確認や記録保存を行った後、文化財課職員または支所地域振興課職員が現場から搬出します。

子供の場合

▶やさしく見守る

たいてい近くに親がいますが、親は人間を警戒して近づかないことが多いです。時には子供を守るために、威嚇してくることもありますので注意してください。幼獣は、一度保護すると、母親に捨てられたり、野生に戻れなくなったりする場合があるので、できるだけ自然に帰すようにします。

 

 

ニホンカモシカとニホンジカの違いは?
カモシカ ニホンジカ
ニホンカモシカ(ウシ科) ニホンジカ(シカ科)
【体色】多くは黒褐色か灰褐色 【体色】成獣は斑点が消え、茶一色
【角】オス、メスともに、牛のような角がある 【角】オスは枝分かれしている。メスに角はない
【ヒヅメ】先はとがっていない 【ヒヅメ】先がとがっている

 

 ニホンカモシカは特別天然記念物です

ニホンカモシカは、国の特別天然記念物に指定されています。
ニホンカモシカを死亡させたり、傷つけたりした場合は、5年以下の懲役もしくは禁錮または30万円以下の罰金に処せられます(文化財保護法第196条第1項)。
また、保護を目的としない捕獲は通常、鳥獣保護法違反(6カ月以下の懲役または20万円以下の罰金)に問われます。