ニホンカモシカの「目撃情報」が増えています

最近、ニホンカモシカの目撃情報が多く寄せられています。
ニホンカモシカは人に危害を与える動物ではありませんので、慌てずに見守ってください。

ニホンカモシカは、ウシ科の日本固有の種です。オス・メスとも体格差はなく、体長は100~130cm、体重は30~40kgで、8~15cmほどの角があります。
体色は黒褐色、灰褐色や橙黄色など個体差がありますが、岩手県内では灰褐色のカモシカが多く目撃されています。

岩場や斜面のある森林を好んで生息する反芻(はんすう)性の草食動物で、採餌は主に朝と夕です。
長時間座り込み、動かずに反芻することが多いため、衰弱と間違やすく、「動けない」などの情報が寄せられています。
ニホンカモシカを目撃した場合は、次のような対応をお願いします。

ニホンカモシカ
見かけた場合には、しばらく見守ってください。

屋外で犬などのペットを飼育している場合は、できるだけ屋内へ避難させてください。ニホンカモシカから攻撃される場合があります。

ニホンカモシカへの対応方法
ニホンカモシカの状況  対 応
元気な場合

しばらく見守ってください。

帰巣本能があります。ほとんどの場合は、時間がたてば縄張りに帰ります。近づかない、道をふさがない、驚かさないようにし、しばらく見守ってください。

けがや病気と

思われる場合

ニホンカモシカが脚を曲げて座っている場合は、食べたものを消化しているだけで、元気な場合がありますので、しばらく見守ってください。

横たわっており交通安全上などの問題がある場合は、文化財課または最寄りの支所地域振興課へ連絡してください。

死んでいると

思われる場合

文化財課または最寄りの支所地域振興課へ連絡してください。

交通安全上などの問題がある場合を除き、動かさないでください。委託業者が、現場確認や記録保存を行った後に死骸を搬出します。

生きている

幼獣の場合

やさしく見守ってください。

たいてい近くに母親のカモシカがいますが、人間を警戒して近付かないことが多いです。時には幼獣を守るために、威嚇してくることもありますので注意してください。

幼獣は一度保護すると、母親のカモシカに捨てられたり、野生に戻れなくなったりする場合があるので、こちらからは近付かず、できるだけ自然に帰すようにします。

 

ニホンカモシカとニホンジカの違い
  ニホンカモシカ ニホンジカ
全体 カモシカ ニホンジカ

オス、メスともにヤギのような角があります。

黒色で、15cm前後まで成長します。生え変わることはありません。

オスの角は枝分かれします。白っぽい色で、個体によって60cm前後まで成長しますが、毎年3月頃に生え変わるため、発見した時期によって長さが異なります。

メスは角がありません。

体毛 白色や黒色の毛が体全体を覆っていて、遠くから見ると灰色に見える個体が多いです。 全体的に茶色の体毛で、夏には白色の斑点があり、冬は斑点がなくなり茶一色になります。また、お尻の毛が白い特徴があります。

 

 ニホンカモシカは特別天然記念物です

ニホンカモシカは、国の特別天然記念物に指定されています。
ニホンカモシカを、意図的に死亡させたり傷つけたりした場合は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます(文化財保護法第196条第1項)。
また、保護を目的としない捕獲は、
1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第83条第1項第1号)。