令和6年12月23日一関市長定例記者会見概要
開始時刻 午後1時30分
○市長発表事項
■一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会からの報告書について】
【市長】
報告書の提出日は12月19日の木曜日であります。報告書の概要について、一ノ関駅東
口工場跡地において、イノベーション創出による産業振興の拠点となるための開発の基本的な観点や考えを明確にし、市が重点的に実施すべき取組について提案をいただいたもの。
報告書では、イノベーション創出の中核となる取組として、加速器・測定器技術、IT・
AIロボット技術、カルチャー産業の三つの事業分野を優先事業として提案をいただいた。
報告書の活用について、この報告書の内容を本年度中に取りまとめる予定としている。一ノ関駅東口工場跡地の土地利活用全体の開発コンセプトに反映させる予定としている。
その他として、イノベーション構想検討委員会の目的、委員は資料のとおり。報告書の内
容については、担当部長から説明させる。
【市長公室長】
資料の「1 検討委員会設置の背景」では、委員会の必要性と設置の目的について記載し
ており、「2 一ノ関駅東口工場跡地の現状」では、工場跡地の現在の状況を記載している。
「3 土地活用の基本方針」では、令和4年8月に市が作成した利活用構想案において、一ノ関駅東口工場跡地に配置が望ましいと考えた機能を記載している。
この1から3は、委員会報告の土台である。
「4 一ノ関駅東口工場跡地におけるイノベーション創出の取組による効果」では、
イノベーション創出を土地全体の活用コンセプトに明確に掲げることで、駅東口工場跡地の立地特性と活用コンセプトにマッチした企業、NPOなどの集積が期待できることから、多くの人が一関市の魅力に触れることとなり、長期的には交流人口から関係人口、関係人口から定住人口への移行が期待できると記載している。
「5 一関市及び一ノ関駅東口工場跡地の立地特性」では、一ノ関駅東口エリアの特
徴を、駅前の利便性、新幹線駅隣接の象徴性、ILC建設候補地域の将来的な発展性、高等教育機関との連携による技術・人材育成での優位性・将来性、全国・アジアとの交流・アクセスの優位性、東北全域からの利便性、周辺の観光資源との近接性の六つを挙げている。
「6 目指すべき方向性」では、イノベーション創出のブランドメッセージとして、人・
技術・文化・期待が集い、イノベーションの関所『いちの関』「いちのせき型エコシステム」の構築を目指すと記載している。
「7 イノベーション創出の中核となる取組」では、加速器・測定器、IT・AI・ロボ
ット技術、カルチャー産業の三つの事業分野が優先事業として提案されていて、それぞれの事業分野においてイノベーションが期待できる具体例が記載してある。
いずれの事業を実施する場合であっても、人材の育成が重要となるので、産学官が連携
した共同人材育成、スタートアップの要請、イノベーションを加速させる場の創出、これらの取組を通じて、いちのせき型エコシステムの構築を目指す。
「8 取組の実現に向けた方策」では、サスティナブルな事業運営、財源の確保、プロモーションの実施、開発スケジュールの4項目について具体的な提案をいただいている。
このイノベーション構想検討委員会は今後、7年1月から3月にかけて、イノベーショ
ン創出の中核となる取組の具体化と実現に向けた手法、イノベーション創出の中核となる取組の実現に向けた実働体制の構築の2項目について検討し、助言をいただく予定としている。
【記者】
19日に報告書として提出されたということだが、市長は内容を見てどういう感想を持ったのか。それから、7のイノベーション創出の中核となる取組のところで、優先事業の提案として三つほど提案している。その中で、加速器・測定器技術の部分は、駅東口工場跡地を用地取得する段階にあっては、国際リニアライダーに関係した部分での利活用はなかったように感じている。
これが入ってきたということは、具体的な動きに備えての対応なのか。あるいは現状では、まだどうなるかが分からないという中で、一関市として、国内向けに、例えば政府とかでアピールしていく狙いがあってどういうものが入ってきてるのか。
【市長】
報告書についての受け止めについては、この検討委員会は、市が設置したが諮問、答申という行為はなく、実質的な諮問を行い、ゼロベースから検討いただいた。
人選もそうだが、イノベーションと言うとおり、技術的な革新性をもって跡地の開発をし、コンセプトを彩っていただきたいという思いは強くあったが、私どもの思いに応えていただいた中身であると受け止めている。
もちろん、私どもも委員会に預けっぱなしではなく、対になって、一緒にまとめのところの議論を伺っていたし、その都度様々な意見交換をしながら報告書にたどり着いた。委員の皆さん方の思いも私どもの思いも両方反映されたという感想。
それから、優先事業の一つにあるIT・AI・ロボット技術のILCとの関係について、確かにこの跡地の取得の時点では、2回ほど取得議案が否決されていて、市長が私に変わ
った後に3回目の提案を行い、可決成立した。しかし、ILCという固有名詞は確かに出していなかった。
ただし、取得にあたってはその機能として、イノベーションやにぎわいなど、この土地が持っているポテンシャルを最大限に発揮するためのものとして、そういった機能をあそこの場所で展開していくことがふさわしいという話はしていた。
委員は、加速器学会の会長、対峙する関係で、かつてのILC推進パネルの委員長であった山下先生をお願いしている。ILCという固有名詞を一旦封印したとしても、絶対関連してくる。現に一関市が世界で唯一の候補地になっているので、技術的な革新性を持って土地の開発をしていきたいと言ったときに、ILCという文脈が外部委員の中に入り込んでこない訳はない。彼らから提案をされたのは、必然の流れだと思っている。
私どもがILCを強く意識して依頼したものではなく、たまたま委員の方が、一関市がILCに関係する物理の先生方と付き合いが長くあるので、駅東工場跡地の開発を進めていく場合は彼らに検討してもらうのは筋であった。やっぱりその中で、ILCが持っているいろいろな技術が、社会的な応用編を含めて提案されたというのは、普通だと思った。
【記者】
報告書で加速器・測定器技術の部分が提案されているが、市としては、当然、ILC実現を目指しているので、こうした提案を何かしらの形で生かし、対外的にPRしていくことになるのか。
【市長】
そのとおり。駅東口工場跡地が持っているポテンシャルや特徴、あるいは一関という立地環境が持っている特徴なのかといったら、おそらく後半の方だと思う。
駅から東へ20、30km行ったところに、そうしたものが展開されていくという案がある。
ちょっと先になるとしても、最大限市全体のこれからに反映させていきたい。
【記者】
ILCについて、優先度の高いものとして書いてあると思うが、ILCの計画がまだ見えてないので、それを見ながらとか、待ってやろうと思うと、こちらの計画は具体像が定まりにくいのかなと思う。ILCの進捗とこちらの計画はどういう感じでリンクしていくのか。
【市長】
ILCプロジェクトの進捗との関係で二つある。
優先事業として書いてある加速器や測定器技術、例えば、超電導やセンサー技術は、ILCがどこに造られるのかに関わらず、研究が進んでいる。そして、技術の革新が次々とあるので、そうした意味では、先端的な科学技術はある。この場所で展開するのかは、ILCがどのぐらいのスピードで話が進むか進まないかに関わらずある話。
もう一つは、開発スケジュールが資料の最後にあるが、二点目に、段階的に開発を進めることで、先行開発の効果により生まれる新たな事業ニーズや開発による土地のポテンシャルの向上、マーケットの広がりや国際プロジェクトなど、外部要因を踏まえた開発が可能となると記載している。これは、強くILCを意識していると思う。
つまり、ILCがどこかにできるかできないかに関わらず、技術が発展をしているので、それを取り込んだ優先順位は考えられるというアイディアと、もう一つはILCが現実に向けて動いていき、北上山地で展開されていくとすれば、そうしたときにはやっぱりILCに関係するものも最寄り駅の前には展開されていくであろうから、そういったものを見た方がいいという二つのアイディアがここにあると思う。
■一関工業高等専門学校とスタートアップ共同宣言を行います
【市長】
発表事項の2件目を説明する。先ほど発表した一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会からの報告書にある、いちのせき型エコシステムの形成を目的に、一関工業高等専門学校と一関市が共同宣言を本日行うことになった。その概要については、一関工業高等専門学校の小林校長から説明していただく。
【小林校長】
一関高専及び一関市は共同して起業支援に取り組むことにより、一関高専から今後5年で5社のスタートアップ企業が生まれるよう支援し、これらの企業が一関を拠点として地域の企業と連携をとりながら、地域を発展させる。そういった共同宣言をさせていただく。
一関工業高等専門学校を卒業して大学などに進む学生たちも含めて、一関高専初のスタートアップが5年で5件という数値目標を定めていきたいと思っている。具体的な目的としては、一関市の将来を力強く切り開き未来を託せる人材を持続的に育てる仕組みの構築を目指している。
一関高専と一関市は共同でスタートアップ人材の育成を行う。一関高専の卒業生がこの地域でスタートアップ企業を作りエコシステムを形成する。いくつかの企業と連携しながら地域を盛り上げていくようにする。しかし、スタートアップ企業の技術的なギャップがあり、いろいろなものに手を回せないので、そういったところを一関高専で担っていくことになる。
一関高専は学生が知識を深く探求できるように、授業そのものも変えていこうと思っている。往々にして知識をインプットしてアウトプットすることが授業になっているが、私達は生成AIなども活用しながら、探究型の授業に変えていくことで、普段の授業からいろいろな物事を多面的に考えられるようにする。そういうことで起業家の卵を育成していこうと考えている。
さらにスタートアップしたなら一関高専といった広報で、今後、知名度を向上させて広く学生を集めたいと考えている。
その他、学生は、金銭面や契約などの法律に弱いので、こういったところは、金融機関とも連携しながら、必要な人材や何かをマッチングさせたい。
スタートは早い方がいいと思っている。リスタートもできることも重要だと思っているまた、地場の企業と新しくできるスタートアップ企業が一緒に取り組むことで地域を盛り上げていきたいという思いがある。
【記者】
市長に伺う。本日、共同宣言を出したことで、今後具体的な取組を進めていくと思うが、
市が一関高専の学生をターゲットに何か予算的なもので活動支援していく考えはあるのか。また、市としてバックアップの仕方について、どのように考えているのか。
【市長】
特定のパートナーを決めずに起業の支援は、いろいろとやってきた。今年度もさらに力を入れてやっている部分がある。伴走型でやっているし、今年もいろいろと新しい展開
があった。
包括連携協定を結び、企業支援を行ってはいるが、特定の団体等を決めたものでは無かった。
今般、イノベーション構想検討委員会との議論の中で話したが、駅東口工場跡地が市に引き渡されるのは、2年先になる。しかし、スタートアップのための共同の取組は、駅東口工場跡地の開発運営に関わらず、今すぐにでも始められるし、工場跡地の開発が始まれば、そこに関連させていくこともできる。
予算との関係については、本日の共同宣言を踏まえて、新年度当初予算の中で特定の相手を対象にしたものを組立てとしてあった方がいいのか、既存のメニューの中で対応できるものか、もう少し深掘りする。
【記者】
小林校長に伺う。20歳前後の学生などが起業するのは、いろいろなサポートが必要だと思う。インキュベーション施設の設置をいろいろな大学でやっているが、先生や企業の方々との連携をどう作っていくのかが難しいと思う。
探究型授業の中でやっていくということだが、一関高専として学生を育てるためのシステムをどのように作っていこうと考えているのか。
【小林校長】
学生たちが、自分がやりたいと思うことを提案し、それに対して予算を措置するという「こぶしプロジェクト」というのがある。ここで生まれた発想をよりビジネスの方に高めていく授業の仕組みもある。
昨日、発表会などを行ったが「ふるさとヒーロー」と「起業家人材育成塾」の二本がビジネスを高めていく仕組みになっている。
自由な発想でまずはプロジェクトを半年又は1年間やってみなさいという「こぶしプロジェクト」があり、そこからビジネスの芽が出てきそうだと思ったら、次はそういうステージで形にしていく仕組みになっている。
ただし、特別な授業だからということで、一部だけやるというのは広がりがないと思うので、全ての授業を探求できるような授業にすることとした。全ての授業でビジネスのことを考えるのではなく、物事を多面的に考え探求できる授業にしていくこととした。
【記者】
1回目でうまくいくことはあまりなく、大体失敗してリスタートということになると思うが、何回かチャレンジできる環境をどのように作っていくのか。
【小林校長】
在学中の失敗は何回やってもいいと思っている。起業するのは早ければ早いほどいいと思っている。仮に在学中にうまくいかなかったときに、そういう取組をした人は、企業に行ってもクリエイティブな活動ができる人材になると思っている。
その後、自分が考え駄目だった夢をもう1回、何かの形で実現することも含めてリスタートだと思っている。
【市長】
学校の授業の中では、いろいろな方法論も含めて勉強すると思う。ただし、お金の借り方や法人登記の仕方など、市では、始める前、始まった後など各段階で伴走型の支援を行っている。
【記者】
今回の共同宣言は、一関市としては初めてになるのか。また、このことに対する期待を伺う。
【市長】
共同宣言という形で、かつ具体的な数値目標を盛り込んだのは今回が初めてとなる。
しかし、一関市には一関高専という他にはない大きなパートナーがあるので、そうしたところを中心に盛り立てていこうというもの。一関市と一関商工会議所、一関工業高等専門学校、一関信用金庫が地方創生を推進する包括連携協定を結んだが、あの中の一つが具体的になったものだと捉えてもらいたい。
期待感については、共同宣言するぐらいなので、期待感はいっぱいある。
【記者】
小林校長に伺う。今後5年間で5社のスタートアップ企業が生まれるとのことだが、これまでは、1年間にどれぐらいの方が起業されているのか。
【小林校長】
現状では、ここ2、3年で6件企業が生まれているので、先ほど説明したような取組を通して、スタートアップの卵たちは何件かあると考えている。この6件が生まれたのは、第1次スタートアップのブームだと思う。この学生たちを今の1年生や2年生たちが見て、
自分もと思っている。うまく繋がって循環しつつあると思っている。ある意味それを宣言したので必ず目標を達成したいと思っている。
【記者】
5年で5件以上を目指しているのか。
【小林校長】
1年で1件くらいのペースで5年5件と考えている。1年に2件出る年もあれば生まれない年もあるかもしれないが、基本的には5年というスパンで5件と考えている。
高専は入学から卒業まで5年間なので、その年に卒業する1人というよりは、在学中・卒業後も含めて5年間というタームで見ようと思っている。
【記者】
いちのせき型エコシステムの形成を目的としているが、目標に向けて一関高専の役割はどう考えているか。また、どのような人材を育てていきたいか。
【小林校長】
全てはこの地域に貢献できることだと思っている。一関高専があるという意味を掘り下げていったら、一関にどれだけ貢献できるかということだと思っている。
よって、エコシステムというものの役割の中でこの地域を発展させられるような人材を育成したい。スタートアップとして独立したり、地域の企業に就職したりして企業の中でアントレプレナーシップを生かすのはありだと思っているが、基本的にはこの地域を活性化させる人材を育成し続けることだと思っている。その中から5年に5件のペースでアントレプレナーが生まれると思っている。
育成した人材が全て起業するという意識は持っていない。多面的に物を論理的に見えるような教育をしていけば、地元の企業を盛り上げるために活躍できると思うし、中には起業する者もいることなんだと思う。
【記者】
起業する会社は何でもいいという感じで捉えていいのか。
とにかく面白いことやりたいという子がいたら応援するのか。
【小林校長】
そのとおり。最初はそうだと思う。こぶしプロジェクトへの参加率は1年生が一番高い。この1年生たちは、一関高専に来たらこんなことができるんじゃないかと思って入学している学生なので、発想は生かして伸ばしてあげたい。ただ、彼らは専門性を学んでいないので、技術的にそれを解決はできない。ただし、それをサポートする学生たちのクラブ活動がある。低学年が発想したものづくりやプログラミングを具体化するという部活動なので、何でもいいとは思っている。
○その他
【記者】
今後の駅東口の土地利用のスケジュールを伺う。
【市長公室長】
今後は、土地の活用計画を策定していくことになる。今日はイノベーション構想の報告書が19日に出たということで公表させていただいたが、以前作成した一ノ関駅東口工場跡地利活用構想案の中のイノベーション創出ゾーンというエリアの考え方について報告を受けたものである。
その他に、令和4年に作成した利活用構想案では、賑わい創出ゾーン・公共ゾーンという三つの大きなゾーンの活用イメージを出させていただいている。
よって、土地利活用計画に向けたコンセプトを来年の3月までにまとめたいと考えている。これが大きな一つになる。
二つ目については、このイノベーション構想については、取組の具体化に向けた手法の検討、それから取組の実現に向けて、実働体制の構築の検討、これらをイノベーション構想検討委員会の中で協議し報告をしていただくことになる。
それと併せて土地の活用に係るコンセプトをまとめるのを今年度中に行う。
来年度には、土地の利活用計画を作成していくことになる。
先ほど市長から申し上げたとおり、土地の引き渡しは令和8年の秋になるので、2年弱の期間がある。それまでに土地の利活用計画を策定する予定。
午前中に議会の特別委員会が開催され説明したが、管理運営法人を来年の1月下旬を目指して設立することになっている。この管理運営法人と土地の利活用計画の策定を進めていくのが今後の大きなスケジュールになる。
【記者】
盛土農地の関係で、先週、市議会や土地所有者へ中山間地域等直接支払交付金の返還の
額が変わったことを説明している。これによって、補正予算の議案提出に向けた環境について、どう捉えているのか伺う。
【市長】
中山間地域等直接支払交付金の返還金額は、当初1億6000万円弱ということだったが、国や県との調整を行い、一定の方向性が出たので、私どもとして議会に提案をした。
その後、地元からの請願、議会の審議もあったので議案を取り下げた。請願書には、徹底究明と書かれており、議会でも確かに究明は必要だとなり、議会からの申入れがあって提案を取り下げた状態が続いている。
その後、何回か特別委員会が開催され、市の担当者が呼ばれて中山間地域等直接支払交付金の制度・返還と今回の盛土農地に関する違反転用に至る様々な経緯の説明を行っている。交付金返還と違反転用は、そもそも次元が違う話だという理解は、されていると聞いている。今の段階で1億6000万円余が900万円弱になった状態で議案を再提出する状況については、大きな流れの中で言えば、あるとは思っている。
ただ、金額が大きく変わったので、説明会を開催させていただき、私も行って説明した。
説明の状況や地元の皆さん方の受け止め方から、もう一度議会で話をするのが筋だと思っている。議会側からのリクエストがあるなしに関わらず、私どもとして地元で説明会を開催し説明をしてきたということを議会で説明する。要件的には徹底究明を求めることと中山間地域等直接支払交付金とは別問題だということは理解に至っているものと認識している。返還額が変わったことについて、話をする手続きはあってもいいと思っている。
【記者】
土地の原状回復の方も、国・県と交渉しているのか。
【市長】
大きな課題の一つが中山間の交付金の返還であり、もう一点は、土地の原状回復。
後段の方が非常に大きな課題。言えるのは、中山間の交付金自体の制度を変えたわけではないということ。
国、県と調整して返還額が下がったが、同じようなことが農地法の運用の中でもあるのか予断を持っているものではない。
【記者】
中山間の交付金の返還について確認したい。夜に東山で説明会をされた。
一部の人は、自分たちも責任があるんだから払いましょうという意見があったが、発言した人ほとんどの人が、市の責任なので応じられないという意見が大勢的だったと思う。
こうした状況の中で年明けに返還に伴う予算措置について、議会に提案するということだが、こういった状態の中で、市議会から理解が得られるという感触を持っているのか。
【市長】
議会に対しての交付金の取扱いに関する説明を1億6000万円のときも行ったし、900万円になったときも行った。
地元の皆さん方に対する説明も同じように1億6000万円のときと900万円のときも説明した。
1億6000万円のときの方が、大きな異論といったものは説明会の会場では出なかった。
先日の説明会では、市農業委員会の責任が大きいので、金額の大小に関わらず、自分たちが負担するようなものではないという意見がいっぱい出た。7月の説明会には、各集落から3人ということだったが、先日は農地法の説明もあるので集落の代表に限定しなかった。
7月の説明から各集落の中でいろいろな議論があったのだと思う。
自分は盛土した1人であるということを言いながら発言された方が多かった。これまでの時間の中で、様々な思いが出てきて話されたと思う。それだけ盛土農地に関する背景がそれぞれの筆ごとに違っていると思う。
そんな状況の中で議会に提案をするのはどうなのかという話だが、議会の特別委員会の中では、中山間地域等直接支払交付金の返還と農地の違反転用は違うということは理解されていると聞いている。
先日の説明会で多くの方から議論が出たことを議員の皆さんがどのように評価するかという話だと思うが、説明会の様子を議会に対して説明するというのも私どもとしての説明責任の中の一つだという気もしている。
どこかの時点で説明をさせていただいて、議会側から何か申入れがあるのかないのか、そういったところから提案時期を探りたい。これは、あくまでも今現時点での考えになる。
以上
閉会時刻 午後2時26分