館蔵品

注口土器ちゅうこうどき

注口土器

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 一関市・羽根橋遺跡出土
 直径38cm 高さ54cm
 縄文時代中期末 


 羽根橋遺跡は一関市萩荘字羽根橋地内の久保川沿いに形成された遺跡で、この注口土器の出土場所は当時のごみ捨て場のように利用された土地でした。川沿いの湿地に捨てた状況で、そのほかにも当時の木材やさまざまな形の土器が壊れた姿で発見されています。
 この土器は直径38cm×高さ54cm、体部の上半で最大径となる注ぎ口のついた甕型土器です。
 体部上半分には沈線と磨消縄文による文様が横方向に展開され、 口縁部には、3単位で巡る突起があり、突起に沿って帯び状の把手が2カ所、もう一つの突起には注ぎ口が一体となっています。
 炉に据えられときの熱効率に配慮された逆三角形の煮沸目的の土器で、外側に付着していている煤から、鍋や釜のような煮沸の道具として使用されたことが判ります。
土器を傾けた時に上澄みのスープのようなものが注ぎ口から注がれたかもしれません。
 この土器は、出土した場所とほぼ同じ層から出土した炭化物の年代測定により、今からおよそ4000年前の数字が出ています。

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