館蔵品

算木・算盤さんぎ・さんばん

算木・算盤

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 算木 木製 約0.7cm角 長さ3.6cm  明治20年(1887)3月
 算盤 紙  縦90.2cm 横120.5cm


 算木は、6世紀から7世紀初めにかけて中国から伝来した計算の道具です。はじめは、加減乗除の計算にも用いられましたが、16世紀後半に中国からそろばんが伝来してからは、簡単な計算はそろばんで行い、算木は複雑な高次方程式を解くときに用いられました。
 算木は、小さな角柱で赤と黒があり、赤はプラス、黒はマイナスを表します。1から5までは、算木を縦に並べ、6以上は、横に1本置いて5とし、その下に算木を並べました。また、1の位は縦に並べ、10の位は横、100の位は縦と、位が変わるごとに縦横を逆にして位取りを明らかにしました。位取のゼロを表わすためには、何も置かないか、小石や円形に切った紙などを置きました。
算木での数字のあらわし方
 中国では宗の時代に算盤の上に算木を並べて方程式を解くようになりました。これを天元術(てんげんじゅつ)といい、日本には寛文(17世紀中頃)に伝来し、和算の基礎となりました。算盤は、碁盤の目のように升目を書き、位取りを示しているので、算木を置くときは縦横を替えずどの位も同じ置き方をしました。
 天元術で表示できるのは、係数が整数または有限の小数で、一元高次または連立多元一次の方程式に限られます。関孝和は、これを紙に書いて文字係数の多元高次方程式を表わす工夫をしました。この方法を傍書法(ぼうしょほう)といいます。これによって代数式を使っての計算が簡単にできるようになり、和算は急速に発展することができたのです。

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