文化財探訪

神中の桂 千厩町

高さ約20メートル、目通り周約7.4メートル、枝張り約20メートルの巨木、「神中の桂」

千厩町小梨と藤沢町徳田の境にある天神山のふもとに、「神中の桂」と呼ばれる、推定樹齢350年の桂の巨木があります。
この木は高さ約20メートル、根元周約9.7メートル、目通り周約7.4メートル、枝張り約20.1メートル×19.1メートル。枝が横に大きく張っている、目を見張る巨木です。
一般的に、桂は渓流沿いなど水辺に近い場所に生育することが多いのですが、この桂は、北向きの斜面に生育している、近在でただ一本の桂の木です。
桂の根元には三浦家の氏神社があり、長い間にわたって神木としての信仰があったものと思われます。
この木の由来として、『三浦家(屋号・神中)の先祖が、馬籠(現在の宮城県本吉町馬籠)から阿弥陀様を背負い、桂の枝をつえにして、この地にたどり着いた。その折、地面に挿した桂の枝が根付いたもの』と言い伝えられています。
平成5年、この木の根元から、「貞治3(1364)年11月13日」と銘が刻まれた「板碑」が発見されました。仏を表す梵字は欠損していて不明ですが、「板碑」の年号から、南北朝時代末期以降、この地に追善供養の信仰があったと考えられます。
「神中の桂」は昭和56年、旧千厩町の天然記念物(植物)に指定され、現在は市の天然記念物に指定されています。

問い合わせ先
千厩支所教育文化課 電話0191-53-3981
 

(広報いちのせき平成20年7月1日号)