わたしたちの住む地域をより魅力あるまちにするため、市民と行政が共に考え、行動する「協働のまちづくり」。
市は本年度、「市民協働推進本部」の設置や各種の事業の開催などにより、その取り組みをスタートしました。

市民協働推進懇談会

協働のまちづくりの在り方について意見を交わした市民協働推進懇談会

行政と市民が協働の必要性と重要性について共通認識し、その在り方を一緒に考えていこうと、本年度地区公民館単位をめどに開催する「市民協働推進懇談会」。その最初となる舞川地区懇談会が6月6日、一関文化伝承館で催され、市から浅井市長と担当部課長ら7人、地区から自治会長や役員ら27人が出席しました。
浅井市長は「多様化する市民ニーズへの対応のためには、行政が主体となり統一的なサービスを行う『地域統治』から、住民、企業、団体などと行政が協働で担う『地域経営』への転換が必要。市は、本年度を『協働のまちづくり』を進める初年度と位置付け、市民の皆さんとともに、協働のまちづくりを推進してまいります」とあいさつ。その後、市から協働のまちづくりの考え方について説明しました。
懇談では、自治会などでの地域課題解決の話し合いの進め方などについて、身近な課題を例に挙げて意見を交わし、地区の皆さんから「課題解決のためにはリーダーの育成が大切」「協働のまちづくりについて議論するための市内のネットワークづくりが必要では」などの意見が出されました。
懇談会終了後のアンケートでは、「協働のまちづくりへの理解が深まった」「今が地域づくりの転換期」「地域の状況を全体的に把握して、今後考えていきたい」などの感想が寄せられました。
懇談会は、9月ごろまでに市内30カ所で行う予定です。
また、地域ごとに協働に対する理解を深めてもらうための「地域講演会」や希望する自治会に対する「話し合いサポート」なども計画し、進めていくこととしています。

協働のまちづくりワークショップ

自由に意見を交わし協働のまちづくりへの理解を深めましたエネルギッシュな語り口でワークショップをリードする櫻井准教授(中央)


協働のまちづくり推進のモデルケースとして、市民と市職員によるワークショップが、5月から市役所会議室で開催されています。
日曜日の夜の約2時間、全5回で行われているワークショップには、「いちのせき市民活動センター」から参加した市民12人と市の協働担当職員など、合わせて31人が参加。櫻井常矢・高崎経済大学地域政策学部准教授の指導の下、五つのグループに分かれた参加者は、▽自分がイメージする協働とは▽なぜ市民と行政との協働が必要なのか▽協働を進めるために必要な姿勢とは―などのテーマについて、各自の考えを書き出したカードを基にグループ内で意見を交換し、その結果を紙に張り出して発表し合いながら、協働について理解を深めました。
参加者からは「話し合いの場ができて良かった」「市民と行政との認識の差を実感した」「漠然としていた課題が具体的になってきた」「行政も市民も、それぞれ意識を変えることが必要」「話し合いの仕組みづくりが大きなポイント」などの感想が出されていました。

協働のまちづくり推進職員研修会

市職員を対象に6会場で行われた研修会(写真は4月14日大東コミュニティセンター)

市は4月、協働のまちづくりに向けた意識の醸成と、住民の主体的なまちづくり活動の支援などを担うことのできる職員育成のため、全職員を対象に6カ所で研修会を行いました。
講師を務めた櫻井常矢・高崎経済大学地域政策学部准教授が「市民協働による自治体経営をすすめるために」と題し講演。
櫻井准教授は、自身がかかわった協働の取り組みの実例を紹介しながら、「地方分権が進む中、地方行政だけでは解決できない課題が山積している。以前のように何でも行政が担うという時代ではなくなっており、実施主体から、支援を行っていく行政への転換が必要。住民の声を聞き、それを生かして事業を見直すという当たり前のことが、改めて問われている。協働の自治体経営のためには、住民自らが、話し合いによって地域課題を発見し解決策を考えることのできる力をつけること、その上で行政と市民が役割分担しながら解決のための事業を実施することが重要で、行政自らも変わらなければならない」と語りました。

協働のまちづくりを効果的に進めるため本年度は次の取り組みを行っています

1.組織機構の改革

本庁地域振興課を廃止し、新たに協働推進課を設置しました。また、各支所の総務課と地域振興課を統合して地域振興課とし、同課に地域協働係を設置しました。

2.市民協働推進本部の設置

市民協働に関する施策を総合的、効果的に推進するため、市長を本部長とする「市民協働推進本部」を設置しました。

3.地域振興基金の造成

市民参画、市民主体のまちづくり推進のための事業財源として、本年度から8年間で総額40億円の基金造成を行います。

4.各種事業への取り組み

▽全職員研修▽担当職員研修▽希望する自治会への話し合いサポート▽地域市民講演会▽市民共同推進懇談会―の取り組みを進めます。
市民講演会や市民懇談会開催については、その都度広報いちのせきやホームページなどでお知らせします。

大東地域市民講演会

櫻井准教授を講師に、なぜ協働が必要か、どのような地域づくりを進めればいいか話していただきます。
■日時…7月13日(日)14時
■会場…大原公民館大ホール

問い合わせ先
本庁協働推進課協働推進係 TEL0191-21-8671

(広報いちのせき平成20年7月1日号)