市西部で甚大な被害

山全体が動いたような大規模な土砂崩れ(厳美町板川地内)。約50万立方メートルの土砂が磐井川を埋めている(14日午後撮影)

中央部の水面が矢櫃(やびつ)ダム。大規模な土砂崩れが数箇所で見られ、一部は国道342号を寸断している(14日午後撮影)

栗駒山(左)。赤の線で囲まれた部分は大きく削られたように

山肌が露出している(15日午前撮影)

旧昇仙橋。地震による土砂崩れで完全に落下している(14日午前撮影)

旧昇仙橋。地震による土砂崩れで完全に落下している(14日午前撮影)

6月14日午前8時43分、岩手県内陸南部を震源に発生した「岩手・宮城内陸地震」は、死亡1人、負傷2人の人的被害をはじめ、大規模な土砂崩れなど、市内西部を中心に甚大な被害を与えました。

地震は、厳美町市野々原地内を震源とする直下型で、マグニチュードは7.2。市内山目で震度5強を記録したほか、舞川、花泉町、千厩町、室根町で震度5弱、大東町、東山町、川崎町で震度4を記録しました。
市は同8時50分、浅井市長を本部長とする災害対策本部および支部を設置し、被害の情報収集に努めるとともに被災者への対応や住民への広報、避難所の開設などに当たりました。また、各県緊急消防援助隊および自衛隊のヘリコプター出動を要請するとともに県知事に対して災害救助法の適用を依頼し、適用が決定しました。
6月16日現在での人的被害は、▽東山町松川地内で地震直後に建物から飛び出しトラックと衝突し、1人の方が死亡▽厳美町祭畤地内での建物損壊と、同町下真坂地内国道342号の土砂崩れに乗用車ごと巻き込まれたことにより、それぞれ1人の合わせて2人が負傷―となっています。
地震により道路が寸断されて孤立した人たちの救出については、▽国道342号須川「ぶなの恵み」付近の48人▽祭畤地区の住民と「いちのせき健康の森」利用者および職員の100人▽市野々原地区で孤立したバスおよび乗用車内の16人▽市野々原地区の住民10世帯33人▽槻ノ木平のこけし工房に避難した住民40人―の計237人を、岩手、青森、福島、新潟、栃木の各県防災ヘリコプター、札幌市消防局、岩手県警、千葉県警、東京消防庁、海上保安庁と自衛隊のヘリコプターにより搬送。須川高原温泉の観光客および従業員100人は、自力で秋田県側に下山しました。

市役所本庁内に市災害対策本部を設置。関係機関と連携し情報収集と復旧に努めています

市役所本庁内に市災害対策本部を設置。関係機関と連携し情報収集と復旧に努めています

市議会で地震に関する報告を行う浅井市長(6月17日)

本寺小学校に設置した避難所に祭畤地区、市野々原地区に住む皆さんが避難

本寺小学校に設置した避難所に祭畤地区、市野々原地区に住む皆さんが避難

婦人消防協力隊の皆さんが避難所で炊き出しを行い、温かい食事を提供

婦人消防協力隊の皆さんが避難所で炊き出しを行い、温かい食事を提供

避難所に指定した本寺小学校には、14日夜は84人が避難し、16日現在では11世帯38人が避難しています。
避難所には職員を派遣し、避難者に対応。日赤およびボランティアの皆さんの応援をいただきながら、食事、飲み物、毛布などを支給しています。また、一関温泉郷の施設の好意による入浴の提供や、日用品の買い物をしたいとの要望に応えるための市によるバス運行など、避難者の身体的、精神的ケアにも心を配りながら対応しています。
避難者の皆さんには、道路などが復旧するまでは帰宅できないことを理解いただきながら、公営住宅等への入居など、対応しています。
市では、被災者の皆さんが一日も早く平常の生活に戻れるよう最大の努力をするとともに、関係機関との連携を図りながら災害個所の復旧に努めています。
被災状況の詳細や復旧の状況などについては、今後広報などでお知らせします。
この地震に伴う被害などの相談やお困りのことなどについては、本庁の災害対策本部内災害相談窓口(電話21-2111)へご相談ください。

※本記事は、6月16日現在の状況を基に作成しました。

(広報いちのせき平成20年7月1日号)