文化財探訪 (大東町)

日本刀製作技術 菅原平(刀匠 鉄山士信吉)

装束を身にまとい、工房で刀を鍛える菅原平さん(右)

日本刀のルーツとされている「舞草刀」の復元に情熱を注ぐ刀匠、菅原平さん。砂鉄の採取から鍛刀まで自力で行い、その伝統技法を今に伝えています。蕨手刀などの研究も高く評価され、国立民俗博物館が実験を行う際に全国の刀匠の中から指名を受けた、唯一の刀匠です。
菅原さんは大正8年、当時の大原町で生まれ、高等小学校卒業後仙台の鍛冶屋に奉公。約6年間、鉈・鎌・包丁などの刃物類の製作に当たりました。
終戦後帰郷し、鍛冶業に従事。昭和40年には宮城県松山町の日本刀鍛錬所に入所し、宮城県無形文化財指定刀匠の法華三郎氏に従事して研さんを積み、同52年に文化庁から刀剣類製作の承認を受けて刀匠となりました。
大東町大原字下烏神の菅原さんの工房は、近世の製鉄の縁によって名付けられた砂鉄川の岸辺まで数歩という場所。工房の軒下には谷川の清流が流れ、製鉄に最適の環境にあります。
敷地内の別棟には展示室があり、作業工程などを見ることができます。予約すれば、菅原さん自らの説明を聞きながら見学することもできます。
作刀については、現在文化庁の許可により、年に大刀2振り、小刀2振りまでと決められています。
「日本刀製作技術」は平成7年、旧大東町の無形文化財に指定されました。菅原さん自身も日本刀製作技術の保持者として認定され、現在も市の無形文化財として引き継がれています。

問い合わせ先
大東支所教育文化課 電話0191-72-4087  

 

(広報いちのせき平成20年8月1日号)