九千沢野菜産直組合

安心・安全野菜の直売消費者との信頼を築く

自慢の野菜を手にする組合員(右から2番目が千葉組合長)と朝一番のお客さん(右端)

九千沢野菜産直組合は平成13年5月、花泉町地場産品販売促進事業の助成金を受けて6人で設立。同年国道342号沿いの永井字九千沢地内に約2.5坪の直売所「九千沢産直センター」を開設しました。 
今年で8年目を迎え、組合員は8人。二代目の千葉久男組合長は「ここまで長く継続できるとは思っていなかった」と振り返ります。お年寄りの利用が多く、食材としてなじみのないブロッコリーは売れなかったスタート時。テレビで健康野菜と放送されたとたん、たちまち売り切れ、メディアの影響力のすごさを感じたそうです。山菜のミズなどもはじめは売れなかったので、お客さんになじみの薄い山菜や野菜は、おいしい食べ方のレシピを店内に張り、食材のPRにも工夫しています。
四季折々の旬の野菜、山菜、花苗、きのこ類、豆類など、常時15種類は並ぶ同センター。休みは12月31日と元旦から4日までの5日間だけで、360日営業。冬でも秋に採れた野菜、ハウス栽培の葉物などが並びます。1袋100円と手ごろな値段も魅力の一つです。
日中は無人ですが、朝7時半ごろから野菜を持ち寄る組合員がそろう9時ごろまで、「お客さんと会話しながら消費者のニーズに対応できるよう心がけている」と話す千葉組合長。この日のお客さんも「種類が豊富で新鮮ですね」とトマト、ナスを買い求めていました。
「健康のために無農薬、有機野菜にこだわり、畑に米ぬかを利用し、野菜に甘味を出す工夫もしている。お互いに栽培方法を教え合い、技術の向上にも努めている」と千葉組合長。生産者としておいしさを追求し、たゆまぬ努力と愛情込めて作物を栽培していることが、品々からお客さんに伝わります。丹精こめた品々にリピーターが多く、県境で国道沿いでもあることから、県外や、土日は若い人も多く利用します。基本的に無人販売なので、信頼で成り立っていますが、一部の心ない人のために、やむなく防犯カメラを設置しました。
14年から、勤労感謝の日にお客様感謝祭を催し、もち振る舞いなどイベントも実施。2年前には市から補助金を受け、店舗を増築し、広い駐車場も確保しました。
「生産者と消費者との信頼が、7年も続いている秘けつ」と胸を張る千葉組合長。食の安全について関心が高まる中、「今後も消費者から愛され、信頼される産直を目指していきます」と力強く語りました。

(広報いちのせき平成20年8月1日号)