「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観―」を構成する資産の一つ、骨寺村荘園遺跡のある本寺地区(6月10日撮影)

7月2日から10日までカナダのケベック市で開かれた第32回ユネスコ世界遺産委員会は同6日(現地時間)、当市の骨寺村荘園遺跡を含む「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観―」の世界遺産登録について、「登録延期」(※)を決議しました。
5月、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録延期」を勧告。これを受けて、追加説明の資料作成や委員国への支援の働きかけなど、政府や県、関係市町による登録実現に向けた懸命の努力が行われましたが、最終的に勧告どおりの決議となりました。

※「登録延期」…より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもので、推薦書を再提出した後、再度イコモスの審査を受ける必要があります。

「登録延期」という、非常に残念な結果でありましたが、これまで頑張ってこられた関係機関の皆様に、感謝申し上げます。
5月に示された「登録延期」というイコモスの勧告を受け、外務省、文化庁、岩手県、関係市町と連携しながら、説明資料を作成し、世界遺産委員会の委員国に説明を行ってまいりましたが、「平泉の文化遺産」の価値を証明し尽くせなかったことは、大変残念であります。
しかし、「平泉」の価値が否定されたということではないと理解しており、今後につきましては、外務省、文化庁、県、関係市町と協議の上、3年後の平成23年の登録を目指してまいりたいと考えております。

一関市長 浅井東兵衛

(広報いちのせき平成20年8月1日号)