みんなで進める地域づくりのために 「地域市民講演会」スタート

より魅力あるまちを目指して市民と行政が共に考え、行動する「協働のまちづくり」。 
市が本年度進めている取り組みの一環として、市内各地域を対象とする「地域市民講演会」が、7月13日の大東地域を皮切りにスタートしました。
同講演会は21日、花泉地域でも行われ、今後、他の5地域でも順次開催されます。

7月13日、櫻井常矢・高崎経済大学地域政策学部准教授(右)を講師に迎え大原公民館で催された講演会時にうなずき、笑いに包まれながら熱心に受講した参加者の皆さん

7月13日、大原公民館での講演会には、大東地域の自治会関係者や市民ら約130人が参加し、櫻井常矢・高崎経済大学地域政策学部准教授による講演「これからの地域づくりに求められるもの」を聴講しました。
櫻井准教授は、進む過疎化や高齢化、地方分権の推進など、地域社会を取り巻く状況の激しい変化に触れ、「行政だけでは対応できない課題が増えており、地域の人間関係が改めて求められている」と指摘。市町村合併の進む現状を踏まえ、「合併で大きくなったことで行政の可能性が広がりをみせる一方、画一・公平・平等の原則で行わなければならない行政では、多様な地域課題への対応が難しい。これまでの『陳情・要望』型から『提案』型への、新たな行政と地域の関係の構築が重要」と語りました。
また、地域のコミュニティーのかたちとして、自治会など、そこに住む人たちで形成される「地縁型共同体」と、ボランティアや市民活動など特定の目的の下に集まった人たちで形成される「志縁型共同体」の二つを挙げ、「この二つはそれぞれ別のものとして活動してきたが、両方あって地域づくりは進む。二つを分けずに、間を埋めていくことが必要」とし、新潟県上越市の事例を具体的に紹介しながら、「地域の住民がお互いを認め合い、一人一人の住民を地域に生かす丹念な活動を続けることが地域の活力を生む」と語りました。
これからの地域づくりに向けては、▽地域の将来像を描き、「何のためにこの取り組みを行っているのか」という目的をはっきりさせること▽補助金や各種の委員など、行政の縦割りが地域の縦割りにつながっている現状を見直し、横のつながりをつくることや地域の人材の発掘を行うこと▽行政主導から地域主導へ地域づくりを転換すること、そのために自分たちに「できること」と「できないこと」をみんなで話し合うこと―などの大切さを訴えました。
「これからの地域づくりには、住民も行政も、お互いに変わることが必要。その上で住民と行政が力を合わせることが、これからの地域づくり、『協働』につながる」とし、「地域づくりを一緒にやっていこうという思いをみんなではぐくみ、取り組んでいってほしい」と結びました。
櫻井准教授の、豊かなジョークを交え熱い語り口で進められる講演に、会場はしばしば大きな笑い声に包まれ、参加者はうなずきながらメモを取るなど、熱心に聴き入っていました。
終了後、参加者からは「協働の必要性を理解することができた。これからの地域づくりの参考としたい」「何かをしてもらうことが当たり前と思ってしまっているので、自分たちでどうしていくべきなのか、何が問題なのかをみんなで考えることから始めなければいけないという思いをさせられた」「行政も、上から押しつけることをやめる変化が必要ではないか」「とても良いお話で、協働についての考え方が変わり、参考になる部分がいっぱいあった。市民として何かが変わっていかなければと再度思った」―など、たくさんの感想が寄せられました。
講演会は21日、花泉総合福祉センターでも行われ、花泉地域の自治会関係者や市民ら約110人が参加しました。
 
櫻井准教授による地域市民講演会は今後、次の日程で行われます。市民の皆さん多数の参加をお願いします。

地域開催日時会場
東山8月3日(日)いずれも14時から東山支所
室根8月24日(日)曲ろくふれあいセンター
一関9月23日(火)一関文化センター
川崎9月28日(日)川崎公民館

問い合わせ先
本庁協働推進課 電話0191-21‐8671

「つながりが見つかる、つながりがはじまる」いちのせき市民活動センター

新鮮館おおまち内に開設されたセンター

4月、当市の市民活動の拠点として「いちのせき市民活動センター」が開設されました。平成17年に県により設置された『きらめきサポートステーション一関』が市に移管され、新たな一歩を踏み出したものです。
市民活動団体やNPO法人、ボランティアなどの公益的な活動をしている、またはこれからはじめようとする人、団体などに、情報の提供や交流、連携の促進などの支援を行い、市民活動の活性化を図ることで協働のまちづくりを推進していくことを目的としています。
NPO法人レスパイトハウス・ハンズに運営を委託し、スタッフ3人体制で次の事業に取り組んでいます。

市民活動支援業務

①市民活動を行っている人に対する組織運営の相談、NPO法人設立のためのアドバイス、各種助成金情報の提供など
②市民活動を行っていない人に対する市民活動やNPO法人制度についての説明、相談など
③行政や企業に対する市民活動についての説明、協働に関する相談など

情報発信・収集業務

①ホームページの運営管理
②市民活動の情報収集・提供
③機関誌の発行

活動拠点提供業務

○業務実施拠点の一部を市民活動団体や市民・団体・行政の交流連携促進の拠点として提供

その他の市民活動支援業務

①ボランティアや市民活動に関する情報交換
②市民活動団体との協働による各種イベント実施の支援

他事業との連携

①いちのせき市民活動促進会議インアーチ、未来塾、賑わい創造の街いちのせき実行委員会の各事務局
②市の協働推進施策への協力、 企業が行う社会貢献活動との 連携・協力

いちのせき市民活動センター

一関市大町4‐29 新鮮館おおまち内

電話・FAX 0191-26‐6400

電子メール center-i@tempo.ocn.ne.jp

ホームページ http://www1.ocn.ne.jp/~center-i
開設日 月~金曜10:00~19:00、土・日曜10:00~16:30

休館 水曜・祝日・年末年始

代表責任者 小野仁志さん(47)

代表責任者 小野仁志さん

「『この地域をもっとよくするために何かしてみたい』。そんな思いを持つ人が集まることで、大きな活動の輪が広がります。市民活動センターは、そうしたつながりを見つけ、活動を始めるためのきっかけづくりや、それを継続していくためのお手伝いをしています。
現在さまざまな団体などによる市民活動が行われていますが、お互いの交流を図り連携して活動することで、地域社会とのより深いつながりができてきます。そうした橋渡し役も果たしたいと考えています。市民活動の拠点として、センターをどんどん利用してほしいですね」

 

(広報いちのせき平成20年8月1日号)