猿沢1区自治会青年部

カブトムシを通じて地域の活性化目指す

周囲の景観に溶け込む手作りの飼育小屋

夏休みの思い出といえば、朝早く起きて雑木林にカブトムシを取りに行ったこと―そんな人は多いはず。大東町の猿沢1区自治会青年部(荻生英史部長、部員15人)は、カブトムシなどの飼育や繁殖、観察などを通じて、地域を活性化させたいと取り組んでいます。
同部の発足は、昨年8月。地域で催された夏祭り行事「宵祭り」に、地域の若者が中心となって取り組んだことがきっかけでした。この祭りの成功が一人一人の自信となり、元気な地域づくりを進めたいと設立されました。
「青年部で何か地域活動をやってみよう」と部員からさまざまな提案がありました。その中から「今の子どもたちは、外で遊ぶことが少ない。カブトムシなど、自然と触れ合える場所をつくり、地域の若者の親睦と交流の場をつくろう」というアイデアにみんなが賛同。市の「若者が主役の地域おこし事業」を活用し、この春から「カブトムシふれあいパーク事業」への取り組みが始まりました。
6月中旬から休日を返上し、青年部と自治会関係者で飼育小屋の建築作業に取り組みました。完成まで延べ7日。約5坪の小屋は、内外に丸太を張って成虫用の止まり木を備え、床には腐葉土を敷き詰めた自慢の出来栄えです。伊藤幸次事務局長は、「部員それぞれ休日が合わないことが大変だった」と振り返りながらも満足そうです。
春先に地区内のシイタケ農家やタバコ農家から協力をもらい、ほだ場などにいたカブトムシの幼虫約250匹を確保しました。幼虫はいったん空き地の一角の腐葉土で育て、その後完成した飼育小屋へ引っ越しました。
7月下旬、さなぎから成虫になったカブトムシが現れました。夏休み期間中には飼育小屋を地域の子どもたちに開放し、飼育を通じて昆虫の生態などを観察したり、自分の手で触れて楽しんでもらったりしました。成虫になったカブトムシは、自治会の夏祭りに参加する子どもたちにプレゼントされました。
 荻生部長は「地域の子どもと大人が交流する機会をつくることで、地域の活性化にもつながると思う。この事業を通じて、生き物への愛情をはぐくむことの大切さを知ってほしい」と力強く語ってくれました。

(広報いちのせき平成20年9月1日号)