関係者がテープカットで祝った骨寺村荘園休憩所開所式

厳美町本寺地区内で、市が民家を改築して整備した骨寺村荘園休憩所が完成し、7月11日、開所式が行われました。骨寺村荘園遺跡を訪れる来訪者への情報提供などの拠点として活用されます。
開所式では、市長代理の坂本副市長が「この施設が有意義に活用され、全国的にもまれな本寺地区の農村景観が将来にわたって守られていくことを祈る」とあいさつ。本寺地区地域づくり推進協議会長の佐藤武雄さんは「この施設を拠点に地域づくりを頑張りたい」と述べたほか、関係者がテープカットを行い、開所を祝いました。

本寺地区の伝統的な農家の間取りをそのままに改修した内部土間の案内所

休憩所は厳美町駒形地内の農家の空き家を市が取得し、周辺の景観に配慮して改築したもの。敷地面積は2230平方メートル、母屋、事務室・倉庫、トイレの3棟の建物面積は269平方メートルです。

母屋は和室3室、いろりのある板間、土間、台所で構成される、この地域の伝統的な農家の間取り。建具も以前からのものが活用されています。
母屋では来訪者が自由に休憩することができます。土間には案内所を設け、いわいの里ガイドの会会員や本寺地区地域づくり協議会会員が常駐し、来訪者への案内を行うほか、毎日11時と14時のガイドツアーに対応。また、地元グループ「骨寺の里」がコーヒーや菓子のほか、予約制によりもち膳などの郷土料理を提供していきます。

オープン記念ツアー

本寺地区内を散策したオープンツアー参加者

休憩所の開所を記念したツアーは7月18日から26日までの土曜・日曜の4日間、催され、43人の参加者が骨寺村荘園遺跡内を散策し理解を深めました。
初回の18日には20人が参加。休憩所を出発した一行はまず駒形根神社へ。境内から農家の周りにイグネ、畑や水田が広がる散居集落を眺めました。梅木田遺跡、遠西遺跡を訪れたほか、ところどころで立ち止まっては現在の位置が絵図のどのあたりになるかを確認しました。参加者は曲がりくねった土水路を眺め、「水路網の骨格は9割以上が中世と同じといわれている」などと説明するガイドの話を、メモを取りながら熱心に聞いていました。
約1時間歩き、昼食にははっとやおにぎりの郷土料理を堪能した参加者。吉田良作さん(60)=紫波町=は妻恵美さんと参加。「歴史に興味があり、今回ガイドの説明が聞けると初めて訪れた。神社から見下ろした風景は絵図に似ている。中世の景色を体感できてよかった」と満足そうな表情で語りました。

(広報いちのせき 平成21年8月15日号)