お客さんの声を聞くことで地域の魅力を再発見できる
目標は「変わらずに続けること」

「骨寺の里」食事部門代表 佐藤次子さん

「骨寺の里」食事部門代表 佐藤次子さん

7月に開所した骨寺村荘園休憩所で軽食や郷土料理を提供している「骨寺の里」食事部門代表。

厳美町駒形。63歳

の山菜、秋のキノコと山の幸に恵まれている厳美町本寺地区。地区の女性たちは春の田植え、秋の稲刈りなど折々のイベントで参加者に食事を提供してきました。手探りで始まった試み。その中で、「『おいしい』と評判だったのが、各家庭から持ち寄った漬け物や、山菜の煮物などの“おとりまわし”でした。この地にあるものが、この地の魅力なんだと気付かされました」と佐藤次子さんは振り返ります。
寺地区の食文化でおもてなしをしていこうと組織されたグループ「骨寺の里」(佐藤春吉会長、会員26人)で、食事部門(メンバー13人)の代表を務める次子さん。伝統的な間取りの農家を改築した骨寺村荘園休憩所で、軽食や郷土料理を提供する「古曲田家」をスタートさせたばかりです。「常設の場で、お金をいただいて食べ物を提供するという責任感に身が引き締まります」。オープン前、メンバーが連日試作を重ねた、はっと、おにぎりなどがメニューに並びます。
あって、国の重要文化的景観である「一関本寺の農村景観」のエリア内に嫁ぎ、家族と農業を営む次子さん。曲がりくねったあぜ道や土の用水路などを維持し、米づくりを続けています。これからの目標は、「変わらずに、続けていくこと」と語る次子さん。この地に住み、農業を続けること―淡々とした語り口の中に、地域の中で生きる誇りをにじませます。(関連記事6ページ)

(広報いちのせき 平成21年8月15日号)