空間放射線量
市内公共施設で測定を行っています
東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により放射線に対する関心が高まっています。
4月下旬から岩手県が地上付近の放射線量などを測定していますが、市では、これとは別に6月中旬から消防署、市内小中学校、保育園、幼稚園、公園などの敷地で独自に測定を行っています。
第1回目の独自測定
平成23年6月13日から29日まで次の方法により測定を行いました。
【測定場所】
市立の小中学校、市内のすべての幼稚園・保育園、野球場など屋外の社会体育施設、公園 全146施設
各施設の校園庭の中心部
測定の高さは、地上から1メートルと50センチ
【測定方法】
30秒間隔で5回測定しています。
5回の平均を測定値としています(平均値の小数点以下第3位を四捨五入し、第2位までの値)。
【測定結果】
地上から50センチの高さで最も高い数値は0・52マイクロシーベルト/時、最も低い数値は0・11マイクロシーベルト/時でした。
この数値は、国が示している「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について(学校などでの屋外活動制限値である年間20ミリシーベルト、毎時に換算すると3・8マイクロシーベルト)」を下回った数値です。
市では震災前の放射線量の測定値がなく、原発事故の影響が今回の測定値にどの程度関係しているのか不明ですが、平常の状態にはないと考えられることから国で示している暫定基準値を測定結果の判断、評価する指標としています。
独自測定の継続
市では、第1回目の測定の結果、国で示している暫定基準値を下回っているとはいえ、市内での放射線量の状況の把握と市民の皆さんへの情報提供を目的に次の方法により測定を継続しています。
【測定施設】
第1回目の測定の結果、各地域で高い数値が測定された学校など7カ所、公園など3カ所と消防署4カ所
【測定方法】
第1回の測定方法と同様
【測定期間】
消防署は、毎日定時に測定
その他の施設は、毎週1回測定
当分の間
【測定結果の公表】
測定当日に市ホームページへ掲載しています。
その他の項目の測定
地上付近の放射線量の測定のほか、水道水、プール水についても岩手県や民間検査機関に測定を依頼しているほか、牧草などは岩手県が放射性物質の測定を行っています。
なお、抽出した各地域1校と二つの社会体育施設のプール水からは放射性物質は検出されませんでした。
測定結果の公表
市では、公共施設での独自の測定を継続していくほか、岩手県が行う牧草などの測定結果について、今後も広報やホームページで公表していきます。
用語解説
◇シーベルト(Sv)…体に放射線がどの程度影響するかを表した単位(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)
◇「福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」…1年間毎日、校庭に8時間、その上に立つ木造校舎に16時間いるという仮説に基づき、年間20ミリシーベルトから導き出された数値。児童生徒が受ける線量をできるだけ低くするための対策をとる目安として国が設定したもの。
放射線測定情報はこちらから
●市のホームページ http//www.city.ichinoseki.iwate.jp/
(一関市内における放射能測定結果(23年7月5日~) )
●岩手県のホームぺージ http //www.pref.iwate.jp/
(環境放射能に関する情報(福島第一・第二原子力発電所事故関係))
(一関市における水道水の核種別放射能濃度の測定結果について)
(地表付近の放射線量の測定結果について)
測定結果
各消防署における放射線量(7月15日現在)
施設名 | 測定日時 |
測定値 マイクロシーベルト/時 |
備考 |
一関西消防署(一関) | 7月15日9時00分 |
1.0メートル:0.23 0.5メートル:0.27 |
|
一関南消防署(花泉) | 同上 |
1.0メートル:0.31 0.5メートル:0.32 |
|
一関東消防署(千厩) | 同上 |
1.0メートル:0.35 0.5メートル:0.39 |
|
一関北消防署(大東) | 同上 |
1.0メートル:0.22 0.5メートル:0.24 |
各地区教育施設における放射線量(7月12日現在)
施設名 | 測定日時 |
測定値 マイクロシーベルト/時 |
備考 |
萩荘幼稚園(一関) | 7月12日11時00分 |
1.0メートル:0.36 0.5メートル:0.38 |
|
花泉小学校(花泉) | 同上10時00分 |
1.0メートル:0.35 0.5メートル:0.34 |
|
渋民小学校(大東) | 同上11時00分 |
1.0メートル:0.31 0.5メートル:0.34 |
|
千厩中学校(千厩) | 同上9時45分 |
1.0メートル:0.38 0.5メートル:0.41 |
|
松川小学校(東山) | 同上10時00分 |
1.0メートル:0.33 0.5メートル:0.34 |
|
折壁保育園(室根) | 同上13時35分 |
1.0メートル:0.47 0.5メートル:0.51 |
|
門崎保育園(川崎) | 同上14時40分 |
1.0メートル:0.39 0.5メートル:0.40 |
公園などにおける放射線量(7月12日現在)
施設名 | 測定日時 |
測定値 マイクロシーベルト/時 |
備考 |
磐井川河川公園(一関) | 7月12日10時00分 | 1.0メートル:0.26 0.5メートル:0.27 |
|
愛宕児童公園(千厩) | 同上10時30分 |
1.0メートル:0.36 0.5メートル:0.41 |
|
千厩多目的グラウンド(千厩) | 同上10時10分 |
1.0メートル:0.40 0.5メートル:0.42 |
水道水の測定値(7月14日採水)
採水日時 |
放射性セシウム測定値 単位:ベクレル/kg |
放射性ヨウ素測定値 単位:ベクレル/kg |
測定団体 |
7月14日9時00分 | 不検出 | 不検出 | 岩手県 |
▼採水地:萩荘字脇田郷37(市脇田郷浄水場)
▼原子力安全委員会が定めた飲食物制限に関する指標値(飲料水):放射性ヨウ素300ベクレル/kg、放射性セシウム200ベクレル/kg
▼水道水の基準のうち、放射性ヨウ素について100ベクレル/kgを超えるものは、乳児用調整粉乳および直接飲用に供する乳に使用しないよう指導することとされています。
▼測定は、毎週1回実施しています。
牧草の放射性物質(6月11日現在)
エリア名 | 採取月日 |
放射性セシウム測定値 単位:ベクレル/kg |
放射性ヨウ素測定値 単位:ベクレル/kg |
測定団体 |
一関牧野 | 6月9日 | 1010 | 不検出 | 岩手県 |
一関東部 | 6月11日 | 488 | 不検出 | 岩手県 |
花泉 | 同上 | 584 | 不検出 | 岩手県 |
大東 | 同上 | 128 | 不検出 | 岩手県 |
千厩 | 同上 | 612 | 不検出 | 岩手県 |
東山 | 同上 | 362 | 不検出 | 岩手県 |
室根 | 同上 | 655 | 不検出 | 岩手県 |
川崎 | 同上 | 89 | 不検出 | 岩手県 |
▼粗飼料中の放射性物質暫定許容値(農林水産省設定)
放射性セシウム:【乳用牛・肥育牛】300ベクレル/kg【その他の牛】5000ベクレル/kg
放射性ヨウ素:【乳用牛】70ベクレル/kg
▼6月9日に採取した牧草の調査結果を受け県は、市内の畜産農家に対し、乳用牛および肥育牛への原発事故発生後に収穫する牧草の利用自粛や放牧の見合わせを要請しました。
▼6月11日に採取した牧草の調査で暫定許容値を下回った大東、川崎エリアの牧草の利用自粛は解除されました。
原乳の放射性物質(7月14日現在)
調査地点 |
放射性セシウム測定値 単位:ベクレル/kg |
放射性ヨウ素測定値 単位:ベクレル/kg |
測定団体 |
一関市(コールドセンター) | 20 | 不検出 | 岩手県 |
▼コールドセンター:生産された牛乳を一時的に冷却・ 貯蔵する施設
▼採取日:7月11日
▼原乳の食品衛生法上暫定規制値(農林水産省設定)(1)
放射性セシウム:200ベクレル/kg以下(2)放射性ヨウ素:300(100)ベクレル/kg以下を下回っています。
※( )内は、食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する 暫定的な指標値
農産物における放射線量(6月15日採取)
品目 | 測定対象 |
放射性セシウム測定値 単位:ベクレル/kg |
放射性ヨウ素測定値 単位:ベクレル/kg |
測定団体 |
トマト | JAいわい東管内 | 不検出 | 不検出 | 岩手県 |
▼調査の結果、放射性物質は検出されませんでした。
▼野菜の食品衛生法上暫定規制値(農林水産省設定)
放射性セシウム:500ベクレル/kg以下
放射性ヨウ素:2000ベクレル/kg以下
問い合わせ先
一関市災害対策本部
(広報いちのせき 平成23年8月1日号)