3.11から3年、復興が進む一方で、今なお27万人もの人が仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされています。
本市でも、1,300人以上の人が避難生活を送っており、私たちは、「近助」の精神で寄り添い、支え続けています。
真の復興とは、一人一人の生活や笑顔を取り戻す心の復興です。
「絆暦」(きずなカレンダー)は、避難者の1年をリポートしながら、心の復興を支援する取り組みを紹介します。

満面の笑みで拍手を送る避難者
千厩八幡太鼓ジュニアと大東ジュニア太鼓の勇壮な合同演奏に満面の笑みで拍手を送る避難者
 

2014年1月26日。室根町折壁の室根ふるさとセンターに、勇壮な和太鼓が響く。

震災から3度目の冬、「仮設住宅などに暮らす被災者に笑顔を届けたい」と開かれた東日本大震災復興支援交流会「唄って、踊って大演芸会」。
一関地方の13の太鼓団体で構成する「磐井太鼓同志会」(小野寺安(やすし)会長)が主催した。

演芸会は、千厩八幡太鼓ジュニアの迫力満点の演奏で幕を開け、次々と繰り広げられる演奏の一糸乱れぬ太鼓の音に会場から大きな拍手が送られた。

小野寺会長は「少しでも復興の役に立てればと企画した。今日は大いに楽しんでほしい」とあいさつ。
来賓の三浦正勝(まさかつ)市役所室根支所長は「皆さんも、皆さんの古里も復興に向けて一生懸命頑張っている。今日は和太鼓の音で心を癒やしてください」と祝辞を寄せた。

避難者を代表して、同町仮設住宅の大原トメ子あすなろ自治会副会長は「室根で3度目の冬を迎えました。皆さんには感謝しきれないほどお世話になっています。ようやく古里に帰るめどが立ちましたが、その日まで、皆さんと楽しく過ごしたい」とお礼を述べた。

演芸会では、大東ジュニア太鼓や出演太鼓団体の合同演奏が行われたほか、地元有志が歌謡浪曲や舞踊などを演じた。
仮設住宅などで暮らす人たちも自慢の民謡やカラオケを披露するなど、室根ふるさとセンターには、一日中笑顔があふれ、歓声が響き渡った。

宮城県気仙沼市の佐藤江久子(えくこ)さん(63)は「普段から地元の皆さんにはよくしてもらい感謝しています。(今日は)参加してよかった。本当に楽しかった」と満面の笑みを浮かべていた。

1参加者が勢ぞろい。にこやかに記念撮影
2会場全体が笑いの渦に 3手拍子をしながら歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりしながらみんなで楽しい時間を過ごした
4手拍子をしながら歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりしながらみんなで楽しい時間を過ごした 5手拍子をしながら歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりしながらみんなで楽しい時間を過ごした

1_演芸会会場のステージ前に参加者が勢ぞろい。にこやかに記念撮影 
2_地元有志のユーモアな演芸に、会場全体が笑いの渦に
3_4_5_ 手拍子をしながら歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりしながらみんなで楽しい時間を過ごした

 

 

 広報いちのせき「I-Style」 平成26年2月15日号