館蔵品

コノハズク形土製品

コノハズク形土製品

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 一関市・草ヶ沢遺跡出土
 高さ 7.5cm
 縄文時代晩期


 ピンと立った耳羽根、まん丸の目、ちょっと突きだした嘴、手を前で合わせているような羽根の模様。とても愛くるしい姿をしたこの鳥は、その姿形からコノハズクと考えられています。作られたのは縄文時代の終わり頃(晩期)、今から約3000~2300年前のことです。一関市狐禅寺(こぜんじ)の草ヶ沢遺跡で見つかりました。
 コノハズクは頭から尾羽根までの長さが20cmほどの日本で一番小さいフクロウの仲間です。夏に南から飛んでくる渡り鳥で、森の奥深くに住み、夜に行動します。鳴き声は「ブッポーソー」と聞こえ、別の鳥のブッポーソーになぞらえて「声のブッポーソー」と呼ばれることもあります。
 この縄文のコノハズクも、わずか7.5cmの大きさながらも中を空洞に作り、両足の間に小さな穴をあけて、息を吹きかける方向によっては「ホーホー」と鳴いてくれます。縄文人の豊かな感性と造形力には驚かされます。どの様な想いを込めて作ったのでしょう。

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