館蔵品

紺紙金字大般若経こんしきんじだいはんにゃきょう

紺紙金字大般若経
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 藤原秀衡発願
 巻子 軸長25.0cm 長さ5m69cm
 平安時代後期


 平泉文化を象徴する一つに中尊寺経があります。中尊寺経とは藤原清衡(ふじわらのきよひら)発願の紺紙金銀字交書一切経(こんしきんぎんじこうしょいっさいきょう)と、二代基衡(もとひら)、三代秀衡(ひでひら)発願の紺紙金字一切経などの総称で、平安時代後期の代表的なお経です。
 この金字一切経のうちの一つ「紺紙金字大般若経」第四二三巻の表紙には、金銀で花びらを広げたような図柄の宝相華(ほうそうげ)文様、その裏側にあたる見返しには釈迦説法図(しゃかせっぽうず)が描かれています。巻子(かんす)の軸にも魚子地(ななこじ)(鏨で打ち出された丸く細かい点のような粒)宝相華文があしらわれています。秀衡の時代12世紀後半の書写と思われます。
 平安時代には、仏教典籍の集成である一切経を書写することは最大の功徳(くどく)でした。しかし中尊寺経のような金字や銀字で一切経を書写するには大量の金銀はもちろん写経僧も多数必要としたため莫大な資金をつぎ込まなくてはなりませんでした。藤原氏のけた外れた経済力と平泉文化の水準の高さを示しています。

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