館蔵品

田村建顕手鑑たむらたけあきてかがみ

田村建顕手鑑

田村建顕手鑑
部分拡大箇所を表示 全体を拡大
絹本著色
縦22.7cm 横19.0cm
江戸時代前期(17世紀後半)頃の作


 手鑑とは、歴史上の文人の個人筆跡帖とでもいうべきものですが、これは、一関藩初代藩主であった田村建顕の自筆の和歌・画帖です。
 内容は、「新六歌仙」(しんろっかせん)と称された、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての六人の代表的歌人の和歌と肖像が、一人ずつ組み合わせて書かれているものです。六人は、藤原義経(ふじわらのよしつね)・藤原俊成(としなり)・藤原家隆(いえたか)・藤原定家(さだいえ)・慈円(じえん)・西行(さいぎょう)です。最後の西行の肖像の脇に「建顕」の署名と落款印(らっかんいん)があります。
 流麗な書体と素人離れした画は、一流の文化人としての人となりを伝えています。
 建顕は、明暦2(1656)年、田村家を再興した宗良(むねよし)の2男として生まれ、はじめ宗永(むねなが)と名のりました。
 漢学の他に、書・絵画・茶道・能・和歌・箏(そう=現代でいう琴)などをおさめました。能は父・宗良自らも指導したとされ、和歌は京都の公家に直接指導を受けました。絵画は他に「富士山図」一点が伝わっています。
 なお、当初の名・宗永は、元禄5(1692)年に建顕と改められて「たつあき」と読み、同10年からは「たけあき」とよむようになったとされています。
 宝永5(1708)年、53歳で没しました。

この部分を拡大この部分を拡大この部分を拡大 この部分を拡大この部分を拡大この部分を拡大
このエントリーをはてなブックマークに追加