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従来の日本髪(模型) |
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束髪(模型) |
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イギリス結び |
マーガレット結び |
西洋下げ髪 |
さまざまな束髪を描いた錦絵(色刷り木版画)と一緒に、常設展示室「一関のあゆみ」に展示しています。 |
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「束髪」とは、明治時代に大流行した女性の髪型です。
明治時代に欧米文化が積極的に取り入れられるようになると、人びとの生活も次第に変化していきました。「ざんぎり頭をたたいてみれば文明開化の音がする」という俗謡は、広く知られています。男性がちょんまげを切ることはかなりの速さで全国に及び、散髪は文明開化の象徴とも言われました。
ところが、女性の髪型は、日本髪のままでした。日本髪は、はなやかで美しいのですが、5日に1回位、整髪用の固い油をつけて結い直して、一ヶ月くらいは洗わないことも普通でした。ですから不衛生的で、ゆっくり眠ることもできないし、結うのにお金がかかる、という欠点がありました。
そこで、西洋の髪型をヒントに考案されたのが束髪です。自分ひとりで結うことができるので、洗髪も面倒に感じないから衛生的だし、経済的である、それに機能的だというので、当時の新聞や雑誌、カラフルなちらしで盛んに宣伝されました。「イギリス結び」「マーガレット結び」「西洋上げ巻」など、ハイカラな名をつけられたいろいろな種類があって、和服にも似合うというので、明治18年(1885)の発表から1年足らずで全国に広まっていきました。
明治18年10月の巌手新聞でも、束髪の流行を伝えていますし、同年9月には便利な束髪を勧める論説を載せています。
文明開化による生活様式の変化としては、束髪の他にも牛鍋、カレーライスなどがありますが、どれも、和洋折衷だったことが共通しています。
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