我が国のうつ病

欧米よりも低いものの、生涯に約15人に1人、過去12か月間には約50人に1人がうつ病を経験しています。
うつ病にかかっている人の4分の1程度が医師を受診していますが、残りの4分の3は、病状で悩んでいても病気であると気付かなかったり、医療機関を受診しづらかったりして、医療を受けていません。

  1. うつ病は特別な人がかかる病気ではなく、誰にでもかかる可能性があります。
  2. 心配や過労・ストレスが続いたり、孤独や孤立感が強くなったり、将来への希望が見出せないと感じた時などにうつ病にかかりやすいのです。
  3. 「うつ」になると眠れない日が毎日続き、全身だるくて、食欲もなくなるなど、体調がどんどん悪くなります。睡眠や食欲など生きていく基本がむしばまれるので、気力や頑張りで克服するのは困難です。
  4. うつは早期発見・早期治療が大事です。しかし長く続くこともあり、その場合はあせらず治療することが大切です。

うつ病を疑うサイン

自分が気づく変化

  • 悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分
  • 何事にも興味がわかず、楽しくない
  • 疲れやすく、元気がない(だるい)
  • 気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう)
  • 寝つきが悪くて、朝早く目が覚める
  • 食欲がなくなる
  • 人に会いたくなくなる
  • 夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
  • 心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする
  • 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
  • 自分を責め、自分は価値がないと感じる

周囲が気づく変化

  • 以前と比べて表情が暗く、元気がない
  • 体調不良の訴え(身体の痛みや倦怠感)が多くなる
  • 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
  • 周囲との交流を避けるようになる
  • 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する
  • 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
  • 飲酒量が増える

自殺のサイン:自殺予防の十箇条

自殺を図った人が精神科医などの専門家に相談している例は少ないと言われています。家族や職場の同僚など身近な人は、自殺のサインに気づいていることが多く、この気づきを自殺予防につなげていくことが必要です。

  1. うつ病の症状に気をつけよう(気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断できない、不眠が続く)
  2. 原因不明の身体の不調が長引く
  3. 酒量が増す
  4. 安全や健康が保てない
  5. 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
  6. 職場や家庭のサポートが得られない
  7. 本人にとって価値のあるもの(職・地位・家族・財産)を失う
  8. 重い病気にかかる
  9. 自殺を口にする
  10. 自殺未遂におよぶ

このような場合、本人を一人にしないでナイフやヒモ類は本人の手の届かないところに置いてください。出来るだけ早く、誰かが同伴して精神科医を受診させてください。

うつ病はどうして起こるの

うつ病になりやすい性格

几帳面で真面目、責任感が強い人がうつ病になりやすいと言われています。これらが人並み以上に強い場合や、開き直りや決断が容易でない人はストレスを受け止めやすく、結果としてうつ病になりやすいと言えます。

うつ病のきっかけ

「職場や家庭でのストレス」「こころやからだの病気」「親しい人や役割の喪失体験」など様々な生活体験がうつ病のきっかけになります。

ストレスになりやすい体験と個人の性格などが相互に関係して、一部の人がうつ病になります。うつ病が悪化すると自殺の危険もでてきます。

うつ病にならないために

普段から気をつけること

毎日の小さないらだちごとに対して

ストレス解消法(スポーツ、趣味、レジャーなど)が有効です。

少し深刻な問題に対して

  • 問題を整理して、解決のための選択肢を考えてみましょう。
  • 自分の手に余る問題については、親しい人に相談しましょう。
  • 事故や失敗など起きてしまったことに対しては、誰かに話して気持ちを整理して、これからのことを考えましょう。
  • できるだけ前向きに考えましょう。

こうした方法をとっても気持ちが晴れないとき

ストレス解消する元気もないときは休養をしっかりととり、専門家に相談しましょう。

うつ病が疑われたら

自分がした方が良いこと

  • 専門家(医師・保健師)に相談(受診)してください。
  • 休養と、場合によっては服薬が必要です。
  • 早期に対策を行うと早く回復します。

周囲の人がした方が良いこと

  • うつ病の症状について質問し、困っていること、悩んでいることについて尋ねてください。
  • 睡眠障害があったり、うつの症状が強くて日常の仕事、家事などが困難であれば、休養と治療を勧めてください。
  • 保健センター、保健所や医療機関(精神科、心療内科、かかりつけ医)などで相談するように勧めてください。親しい人が付き添って行ってください。
  • 本人が受診を拒否した場合、本人が信頼している家族、先輩、友人などから受診を勧めてもらってください。

治療が始まったら、本人の回復のペースに配慮して、支援をしてください。

うつ病の治療の基本は休養が優先ですので、無理に外出、運動、気分転換を勧めないようにしてください。