室根産地直売組合

自慢の品々と情報発信 総合的に地域活性化を

新鮮な野菜などの商品が竹かごに並べられた店内

それまでいくつかのグループや個人が無人の直売所を営んでいた室根町内に、初の有人産直店舗として「ふれあいむろね旬菜館」がオープンしたのは平成15年9月。その運営に当たっているのが、室根産地直売組合(千葉美喜子組合長、組合員105人)です。旬菜館オープンに先立ち、同年4月に設立されました。
矢越字高沢地内の豊かな自然に囲まれた同館は、四季折々の旬の新鮮野菜を中心に、素材にこだわり丹精込めて作った農産加工品や特産品、匠の技が光る工芸品などを販売。特にマウスパッドなどの室根石製品や矢越かぶ加工品など、室根ならではの品々が自慢です。
「森は海の恋人植樹祭」で培った森―川―海のつながりから、本市の友好都市、宮城県気仙沼市の海産物も取りそろえ、地域間交流にも取り組んでいます。「おすすめ商品は四季折々の旬の新鮮野菜」と千葉組合長は自信に満ちた表情で紹介します。
店内の一角には町内産のスギ丸太の腰掛けと、ケヤキ丸太のテーブルを配した情報発信コーナーが設けられ、観光案内や各種イベント情報などを掲示。室根の四季、祭り、特色ある地域づくりなど総合的な情報を発信するとともに、生産者と消費者のふれあいの場にもなっています。ソフトクリームやコーヒーも販売し、くつろぎながら買い物が楽しめるのも特徴です。
設立して5年が経過。生産者の意欲と発想を基礎に顔が見える流通を目指すという千葉組合長は、拠点施設としての取り組みを振り返りながら「日々努力しなければ継続できない。消費者のニーズを的確にとらえることが重要」と語ります。
「当初販売していなかった肉類や調味料類も取り扱い、販売品目を充実させた。将来は組合としてグリーンツーリズムや加工部門設立なども視野に入れている。リピーターは着実に増加しており、信頼を裏切らないようにしなければ」と気を引き締めます。
最近の食を取り巻く環境は大きく変化し、さまざまな問題が指摘されています。同組合は子どもたちに自分たちの作った新鮮な野菜を食べてほしいとの思いから、保育園や小・中学校の給食にも食材を供給しています。
「地域の活性化拠点施設として雇用の確保も図り、専任レジ係4人を配置。総合的に室根を活性化させたい。ただ売るだけではなく、生産活動から販売まで、やって良かったと気持ちの上でも満足できるような取り組みを進め、消費者との信頼関係を継続させていきたい」と力強く話す千葉組合長です。

(広報いちのせき平成20年5月1日号)