一関市

合併後初の600億円台

23年度予算は、「中東北拠点都市への基礎づくり予算」として編成。
予算規模は、一般会計で約604億円。合併後初めて600億円台の予算となりました。
次代を担う子供たちの健康を守り、子育て支援、市独自の雇用対策などにより「子育てしやすい」、「暮らしやすい」環境づくりを進めることにより定住促進にもつなげていく予算としました。
また磐井川堤防改修を契機としての公共施設の再配置とこれに関連するまちづくりや市有財産の長寿命化などを行っていきます。

中東北の拠点都市を目指して

岩手県南から宮城県北までの「中東北」の拠点都市を形成していくために「中東北拠点都市形成特別推進事業」を行っていきます。
これは中東北の拠点としての基礎を築くために特別に事業予算を確保して行う事業で次の9つを設定。
これら特別事業の予算額は、約6億3000万円となります。

1. 小学生医療費の無料化
2. 「真ん中」の雇用対策
3. 市有財産活用推進事業
4. 世界遺産登録に向けた支援と受け皿づくり
5. コミュニティFM局の開設準備
6. JR駅前のトイレ整備
7. 「地域の宝」を守る取り組み
8. 学術研究都市構想の推進
9. 県際の地域連携

重点事業10項目も

このほか昨年度に引き続き雇用対策、産業振興など10項目の重点事業も実施していきます。
さらに経済対策事業として道路の維持補修や生活道路などの改良、簡易水道の整備など来年度以降に行う事業を前倒しして行います。
各事業の内容は、表のとおりです。

中東北拠点都市形成特別推進事業

中東北の拠点都市としての基礎を築くために、早急に取り組む必要があることから特別に事業予算を確保して行う事業

事業の項目	予算額 （万円）	内容
小学生医療費の無料化	1億6215	これまで、乳幼児を対象にしてきた医療費の無料化を新たに小学生まで拡大
「真ん中」の雇用対策	617	社員が定着するための「真ん中」の雇用対策として地域企業パワーアップ支援などを実施
市有財産活用推進事業	2億5627	既存の市有財産の長寿命化、有効活用などの整備を計画的に進める
世界遺産登録に向けた支援と受け皿づくり	9034	県や平泉町などと連携した世界遺産登録記念事業、一ノ関駅西口北駐車場の拡張など
コミュニティFM局の開設準備	1760	地域情報と防災情報を配信するコミュニティFM局の開局に向けた準備
JR駅前へのトイレ整備	8719	8カ所のJR駅に公衆トイレを整備（うち1カ所は建て替え）
「地域の宝」を守る取り組み	708	国登録有形文化財「旧東北砕石工場」の改修実施設計など
学術研究都市構想の推進	400	学術研究都市としての将来的なまちづくりを展望するための土地利用などの基礎調査
県際の地域連携	79	宮城県栗原市、秋田県湯沢市、東成瀬村との観光振興事業を実施

10の重点施策ごとの主な事業の紹介（※は中東北拠点都市形成特別推進事業）
「中東北」の拠点都市一関の形成

事業名	予算額 （万円）	内容
1.広域的な幹線道路網の整備	12億842	矢ノ目沢金沢線・清水原一関線、真滝中央線、松川駅館下線など
2.藤沢町との合併の推進	1億4782	合併準備経費、合併準備会負担金
3.市有財産活用推進事業（※）	2億5627	既存施設の維持補修事業など
4.地域連携事業	249	ゆっくりひとめぐり栗駒山麓観光振興事業（※）など
5.学術研究都市構想策定事業（※）	400	学術研究都市としての将来のまちづくりを展望するための土地利用などの基礎調査

雇用対策

事業名	予算額 （万円）	内容
1.緊急雇用事業	7300	市道環境整備など7事業
2.重点分野雇用創出事業	1億  167	地域資源販路開拓など24事業
3.地域人材育成事業	1億3033	林業者育成など8事業
4.ふるさと雇用再生特別基金事業	1億3710	介護保険事業所人材確保支援など20事業
5.新規高卒者ふるさと就職支援事業補助金	1600	新規高卒者の地元就職と定着を図るため、新規高卒者を採用した雇用主に研修の実施など人材育成費用として20万円を助成
6.地域企業パワーアップ支援事業（※）	212	企業経営者などを対象に、若い人材などの定着を図るセミナーを開催
7.キャリア教育支援	547	キャリア支援員・キャリアサポーターによる小・中・高生を対象とした職場体験事業など
8.各種就業支援	999	若年者就業支援相談、地域職業相談室、雇用相談員配置など

企業育成

事業名	予算額 （万円）	内容
1.地域企業の人材育成・経営強化・連携促進　に対する支援	3483	企業の魅力発信力向上事業（※）、人材育成事業費補助金、次世代ものづくり人材育成事業、地域企業情報ガイダンス開催事業など
2.企業立地の促進	1億8395	企業立地促進奨励事業費補助金、企業設備投資奨励補助金など
3.立地企業操業支援事業費補助金（※）	200	新規立地企業の操業にあたり、新規採用者に係る人材育成経費や社員研修費などを助成
4.一関東第2工業団地立地促進事業	8億6929	企業立地促進奨励事業費補助金、情報発信など

 

産業振興

事業名	予算額 （万円）	内容
1.「地産外商」の推進	6769	一関市の全国に誇れる農産物や特産品の販路拡大に関する12事業、情報発信に関する9事業
2.農業経営体の育成・強化	7114	いわて未来農業確立総合支援事業費補助金、担い手育成対策事業など
3.農業基盤整備の促進	1億2781	県営基盤整備事業負担金、県営ため池等整備事業負担金など
4.農産物の産地づくり	4814	野菜花き生産振興事業補助金、一関のめぐみブランド化推進事業など
5.資金融資枠の確保と利子・保証料補給	6億2349	低利な中小企業振興資金貸付金の原資預託、同資金と岩手県小規模小口資金に係る一定の利子補給と保証料の助成
6．年末年始連合大売り出し事業補助金	524	年末年始の商店会などの連合大売り出しでの共通商品券事業に対する助成
7．商店街活性化事業補助金	500	一定の要件を満たす空き店舗への入居者に対し、開店に要する店舗内外装費用の一部を助成
8．大型観光キャンペーンの推進	241	平成24年4月から6月に開催される「いわてデスティネーションキャンペーン」のPRなど

教育・人材育成

事業名	予算額 （万円）	内容
1.大東小学校整備事業	4億5920	摺沢小、渋民小、曽慶小の3校の統合による小学校の建設
2.（仮称）千厩学校給食センター整備事業	6億4560	千厩地域、室根地域、藤沢町の12小中学校を対象とした学校給食センターの建設
3.図書館の建設	1億1160	一関図書館と花泉図書館建設の実施設計
4.体育施設の移転整備	10億4090	一関水泳プール、青葉テニスコートの移転整備
5.特別支援教育の推進	4338	特別支援コーディネーター、学校サポーター（小中学校）などの配置
6.全国高等学校総合体育大会開催事業	2415	8月に当市を会場として行われるインターハイ（体操競技）の開催PR事業など
7.生涯スポーツの推進	357	平成28年度の岩手国体開催を見据えた選手強化・指導者育成事業など
8.旧東北砕石工場改修事業（※）	498	国登録有形文化財となっている旧東北砕石工場の大規模改修に向けた実施設計
9.中学生最先端科学体験研修事業	168	中学生（60人）を対象に、筑波研究学園都市で宿泊体験研修を実施

保健・福祉・医療の連携強化

事業名	予算額 （万円）	内容
1.小学生医療費の無料化（※）	1億6215	これまで乳幼児を対象としてきた医療費の無料化を新たに小学生まで拡大
2.乳幼児医療費の無料化	1億4323	出生時から就学前の児童までを対象に、医療費を無料化
3.個別予防接種の無料化	2億8536	子宮頸がん予防ワクチンなどについて基準接種対象者の予防接種費用を無料化
4.第3子以降保育料の無料化	1億1627	第3子以降の保育園、幼稚園などの保育料を無料化
5.（仮称）保健福祉センター整備事業	3360	一関保健センターに保健・福祉の複合的センター機能を備えた新たな施設整備の基本設計
6.介護サービス施設の整備促進	10億1164	第5期介護保険事業計画の前倒しによる小規模特別養護老人ホームなどの整備と施設開設準備に係る経費に対する助成
7.医師修学資金貸付事業	1120	将来医師として市内の指定医療機関に勤務しようとする人を対象に修学資金の貸し付けを行う
8.地域医療・介護連携推進事業	500	医療と介護の連携体制づくり、医療・介護従事者の資質の向上などを図る事業
9.高齢者福祉乗車券事業	6094	70歳以上の高齢者世帯などを対象とした高齢者福祉乗車券（タクシーやバス料金の一部助成）事業

地域コミュニティの自立支援

事業名	予算額 （万円）	内容
1．いちのせき元気な地域づくり事業	6150	地域住民と行政との創意工夫により、各地域で特色のある地域づくりのための事業を実施
2．地域おこし事業など地域づくり活動に対する支援	1億928	地域おこし事業費補助金、自治会等活動費補助金、一関グリーン・ツーリズム推進事業、地域間交流事業など
3．協働によるまちづくりの推進	2997	市民活動推進事業、市民協働支援事業、ふれあいの道づくり推進事業など
4．小森塾復元整備事業補助金（※）	210	高野長英の希少な遺構とされ重要な建物である「小森塾」の復元修理に対する助成
5．地域に根差した文化財や伝統文化の保存・継承	500	指定文化財保護事業補助金、郷土芸能活動費補助金
6．まつりや地域イベントなどに対する支援	2918	各地域の夏まつり開催事業負担金、水かけ祭り保存会事業費補助金、唐梅館絵巻実行委員会補助金、一関春まつり開催事業補助金など

環境対策

事業名	予算額 （万円）	内容
1．JR駅前トイレ整備事業（※）	8719	JR大船渡線、東北本線の駅前8カ所に公衆トイレを整備
2．新エネルギー等導入事業費補助金	350	住宅用太陽光発電システムの設置経費に対し1キロワットあたり1万円を助成
3．資源リサイクル事業	1107	自治会やPTAなどによる集団回収により、地域ぐるみの資源リサイクル活動を促進
4．地球温暖化対策など環境に関する意識の　醸成	218	地球温暖化に関する啓発事業、エコ友チャレンジ事業など
5．下水道・浄化槽の整備	15億1333	公共下水道整備事業、浄化槽整備事業、浄化槽の設置に対する助成
6．公用車へのハイブリッド車導入	735	公用車の更新にあたり、更新車両のうち3台をハイブリッド化
7．市役所の環境マネジメントシステム導入	48	エネルギー使用量の適正管理などを行うためのシステムを導入

内陸地震からの復興と教訓を生かしたまちづくり

事業名	予算額 （万円）	内容
1．コミュニティFM局の開設準備（※）	1760	地域情報と防災情報を配信するコミュニティFM局の開局に向けた開設準備事業
2．南消防署建設事業	2億4386	南消防署（花泉町地内）の老朽化に伴う建て替え
3．防災行政情報システム整備事業	3860	市内全域に防災行政情報を一斉伝達できる防災行政無線と消防救急無線の一体的整備に向けた実施設計など
4．学校施設耐震化	11億8418	川崎中学校校舎・屋体の建て替え、山目小学校など2校の耐震改修、千厩小学校校舎など6校の耐震補強、磐清水小学校校舎の耐震改修実施設計
5．木造住宅の耐震診断、耐震改修工事助成	3203	昭和56年以前に建築された木造住宅の耐震診断を実施し、危険な住宅に対して改修費を助成
6．防災マップ・土砂災害ハザードマップの作成	840	危険個所や避難場所、防災に関する知識などをまとめたマップなどを作成

平泉文化遺産の世界遺産登録に向けた支援

事業名	予算額 （万円）	内容
1．「平泉の玄関口」としての受け皿づくり	9007	平泉世界遺産登録記念看板設置事業（※）、一ノ関駅西口北駐車場拡張整備事業（※）など
2．「平泉の文化遺産」の世界遺産登録記念・　記念事業など	448	登録祈願ウォーキング（※）、平泉世界遺産登録記念事業負担金（※）、平泉ナンバーを実現させる会負担金（※）など
3．骨寺村荘園遺跡の追加登録に向けた取り組み	2億8522	骨寺村荘園地区整備事業（交流館展示棟建築、駐車場整備など）、世界遺産登録推進事業（講演会開催、推薦書の作成など）など

経済対策事業
後年度事業の前倒しなど25億5937万円

事業の項目	予算額 （万円）	内容	予算額 （万円）
保育園などの備品更新	720	河川や水路の改修	3030
農業用水路など農業施設の改修など	1675	公園施設の整備	3760
林道の改良、舗装など	2250	市営住宅の修繕など	2500
年末年始連合大売出し事業補助金	524	住宅リフォーム助成事業	1608
工業団地送水施設の改修など	3960	救急資機材や消防車両などの更新	3730
観光散策路の整備	800	幼稚園や小中学校の修繕など	3800
歩道の整備	1500	スクールバスの更新	4200
道路の維持補修	5億4200	社会教育施設の備品更新	2100
橋りょうの修繕	1億440	簡易水道の整備促進	7億7000
生活道路などの改良、舗装	4億8420	マイクロバスや道路維持車両などの更新	5190
地域間を結ぶ道路などの改良	2億2800	その他公共施設の修繕・改修・環境整備など	1730

（広報いちのせき　平成23年5月1日号）