豪州北東部のクイーンズランド州にあるセントラルハイランズ市は、面積59,884k平方メートル(一関市の約48倍)、人口31,078人(一関市の約4分の1)で主要産業は鉱工業と農業。
旧藤沢町は、セ市合併前の旧デュアリンガ町と93年に国際友好親善の町を提携し、中高生の相互派遣などを中心に交流を深めてきた。
一関市が海外の自治体と姉妹都市を提携したのは初めて

豪州セントラルハイランズ市と
国際姉妹都市を提携

勝部修市長は、「国際姉妹都市提携調印式」に出席するため
8月12日から17日まで、オーストラリア・セントラルハイランズ市を訪れました。

4握手を交わす勝部修、ピーター・マグワイヤ両市長

旧藤沢町とセントラルハイランズ市が姉妹都市だったことから一関市は昨年11月19日、ベリーノホテル一関で「国際姉妹都市提携調印式」を行いました。
今回は、勝部修市長のほか畠山博藤沢地域自治区長、菅原啓祐市議会議長、藤沢町国際交流協会の役員、市職員らが渡豪し、あらためて友好関係を結んだものです。

セ市はオーストラリア北東部のクイーンズランド州にあります。
人口は約3万2千人で一関市の4分の1ですが、面積は約6万平方キロで、東北6県の9割にも匹敵する広さを誇ります。
旧藤沢町は、セ市合併前の旧デュアリンガ町時代から国際友好親善の町を提携し、中高生の相互派遣などを中心に交流を深めてきました。

調印式は8月14日現地時間の午後6時から、同市ブラックウォーターの国際石炭センターで行われ、両国両市の関係者約120人が出席しました。
両国の国歌斉唱に続き、両市の紹介と交流の歩みが上映され、友好の絆を確認しました。
姉妹都市提携文が紹介された後、菅原議長、畠山自治区長、ブライアン・オットンCEOを立会人に、勝部市長とピーター・マグワイヤー市長が盟約書に署名を行い、市旗、記念品などを交換しました。

勝部市長は「93年に旧藤沢町と旧デュアリンガ町が国際友好親善の町を提携してから20年。姉妹都市として二十歳を迎えた両市は立派な大人の関係です。ますます交流の絆を深めていきたい」と一層の交流推進を誓いました。
マグワイヤー市長は「両市の関係は年々深まっています。教育・文化・産業・経済・青少年の交流を通して、世界の平和と繁栄に貢献することが両市の発展につながると思います」と述べました。 

調印を終えた両市長は、海を越えた友情の深まりに、思いを新たにしていました。

一行は滞在中、▼人造湖(ダム)▼石炭鉱山▼日本庭園―などを視察したほか、▼市役所▼小学校と高等学校▼農園や農場―などを訪問しました。

このうち、日本語教育に力を入れているエメラルド高は、一関一高との交流に強い関心を持っており、勝部市長は「両校が合意すれば、ぜひ交流を推進してほしい」と期待を寄せました。

1調印式2ブラックウォーターの日本庭園3熱い思いを語る橋本副会長

5ブラックウォーター北小学校で子供たちと触れ合う勝部市長

1_調印式には、両国・両市から約120人が出席
2_ブラックウォーターの日本庭園で。
右から佐川伸藤沢支所地域振興課長補佐、佐藤和商業観光課主事、鈴木悦朗市民環境部長、畠山博藤沢地域自治区長、勝部市長、菅原啓祐市議会議長、橋本志津藤沢町国際交流協会副会長
3_これまでの交流を振り返り、熱い思いを語る橋本副会長 
4_盟約書に署名し、握手を交わす勝部修、ピーター・マグワイヤ両市長
5_ブラックウォーター北小学校で子供たちと触れ合う勝部市長

藤沢中生3人が渡豪
大陸の生活・文化を体感

中高生の相互派遣などを中心に交流を深めてきた旧藤沢町。
今年は3人の女子生徒が大陸の生活や文化を学んできました。

11セントラルハイランズ市の議場

オーストラリアの生活を体験しながら語学や異文化を学ぶ「藤沢地域中学生海外派遣事業」は7月26日から8月4日までの10日間、セントラルハイランズ市などで行われ、藤沢中(田口秀樹校長、生徒219人)の女子生徒3人が派遣されました。

セ市などを訪れたのは、いずれも3年の千葉奈々さん、阿部美里さん、千葉詩乃さん。
同町国際交流協会(高橋義太郎会長)の福地恵理子理事と千葉彦旭藤沢支所地域振興課主事が引率しました。

派遣された生徒たちは5月15日から7月20日まで、計10回の研修を受け、英会話のほかに郷土の歴史・文化、オーストラリアの生活習慣、ルールやマナーなどを学びました。

生徒たちはセ市のブラックウォーターでホストファミリー宅に宿泊しながらオーストラリアの日常生活を体験しました。
滞在期間中は、市役所を訪問したほか、市内の農場、石炭鉱山、日本庭園などを見学しました。
このうち、ブラックウォーター高校への訪問では、日本語や日本文化を伝えながら同世代の生徒たちと交流を深めました。
そのほかホストファミリーと自由行動をしたり、ショッピングセンターで買い物したりするなど、多彩なメニューを通じて見聞を広め、交流を深めました。

10日間の渡豪で、大陸の生活や文化を肌で体感した3人は、8月4日に無事帰国しました。
たくましく成長し、自信に満ちたその表情は、まぶしいほど輝いていました。

6ボトルトゥリーキャンプ農場でランチタイム 7乗馬を体験 8石炭鉱山では大型重機にびっくり  

9旧藤沢町時代に建てられたセミナーハウスの前で10ドリームワールドで絶叫マシンを思いっきり楽しんだ12オーストラリアの夕日

6_ボトルトゥリーキャンプ農場でランチタイム。美味しいお菓子やフルーツもいっぱい
7_同農場で初めて乗馬を体験する阿部美里さん 
8_石炭鉱山では大型重機にびっくり 
9_旧藤沢町時代に建てられたセミナーハウスの前で
10_ドリームワールドで絶叫マシンを思いっきり楽しんだ
11_セントラルハイランズ市の議場。左から福地恵理子理事、千葉奈々さん、千葉詩乃さん、阿部美里さん、千葉彦旭主事
12_オーストラリアの夕日

阿部美里さん 

しっかりコミュニケーションできた

美里さん

「失敗を恐れず挑戦する」がモットー。
いろいろなことを体験するだけでなく、自分の気持ちを伝え、しっかりコミュニケーションすることも目標の一つでした。
ホームステイ中は、相手の話を聞くだけでなく、身振り手振りから気持ちを理解することを心掛けました。
だから自分の言葉が通じた時は本当にうれしかったです。
 

千葉詩乃さん

生涯忘れることのできない宝物

詩乃さん
言葉の壁を乗り越えて、話しかけてくれたり、気遣ってくれたりするファミリーのやさしさに心を打たれました。
本当の家族のようでした。
毎日が充実していて、あっという間の2週間でした。
たくさんの出会い、貴重な経験、数えきれない思い出は、生涯忘れることのできない私の大切な宝物です。
 

 

千葉奈々さん

 互いを受け入れることが大切

奈々さん

ホストファミリーは、私が折り紙を折ったり、日本語を話したりすると、笑顔でもう一度折ったり、日本語を繰り返したりしてくれました。
私を受け入れてくれる、一生懸命理解しようとしてくれる姿に感動しました。
両国の生活や文化の違いを自分の目でしっかり確認できたことも大きな経験でした。

  

 広報いちのせき「I-style」10月1日号