お互いに成長した姿を見る日が楽しみです 

右:阿部律奈さん(一関一高2年)・左:小野寺健さん(一関工高3年)
小野寺健さん・阿部律奈さん
青森県八戸市で開かれた「2012年後期青森県スポーツダンス選手権大会」で優勝した二人

北上市のきくやダンシングスタジオに通う小野寺健(けん)(一関工高3年)・阿部律奈(りな)(一関一高2年)ペア。
2011年7月に開かれた「ダンススポーツグランプリin静岡 全日本選手権ユース ラテンの部」で堂々4位に入賞。
昨年9月の世界大会に出場するはずだったが、開催国の事情で出場はかなわず、悔しい思いをした。

だが、昨年10月に行われた国内最高峰の競技会「三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権大会」に選抜されたり、12月に行われた「全東北プロアマ選手権大会アマ選手権ラテンアメリカの部」で優勝したり、その実力は折り紙付き。

ペアを組んで2年。
互いに「最高のパートナー」と言い切る二人は卒業後もダンスを続ける。
健さんはプロの道へ進む。
律奈さんもアマで実績を積み、将来はプロを目指す。

ペアは解散するが、目標は一緒。
国内最高峰の競技会で一番高い表彰台に立つことだ。

「お互いに成長した姿を見る日が楽しみです」

応援してくれる両親への感謝の気持ちを胸に、再び世界を目指す。

泣きたくなるほどうれしかった

右:松谷空歩さん(山目小3年)・左:松谷侍虎君(6つ)宮前町
松谷空歩さん・松谷侍虎君
大人に混じっても物おじしない舞台度胸満点の松谷姉弟。
「ダンスが大好き」と練習中も笑顔を絶やさない
 

山目のダンススポーツクラブ「ボディーアート一関」に通う松谷空歩(らぶ)(山目小3年)・侍虎(しど)(6つ)の姉弟ペア。

日本ボールルームダンス連盟が主催する「小・中・高校生ボールルームダンス・全日本チャンピオンシップ」に出場し、未就学時の部ラテンアメリカン部門チャチャチャを昨年に続いて連覇した。

「泣きたくなるほどうれしかった」
瞳をキラキラ輝かせる。

モダンダンスを習っていた空歩さんが、ドレスとハイヒールで踊る姿に憧れ、ダンススポーツに転身したのは3年前。
侍虎君も後を追った。
週4回のレッスンの他に、毎日自宅で練習を欠かさない姉弟が一番重視していることは「表情」。
元気いっぱいのダンスと満点の笑顔で見る人を楽しませる。

豊かな表現力は父親譲り。
父俊克(としかず)さんは、あの道化師「クラウンろっく」。
父と一緒に「ろーる」(空歩)と「じゅにあ」(侍虎)に扮(ふん)して活動する。

「ダンスが大好き」

姉弟でさらに技を磨く。

無我夢中。何も考えずに泳いだ

小野寺勝さん(59)東山町田河津
小野寺勝さん
金、銀の両メダルを手に笑顔の小野寺勝さん。
4年後に岩手で開催される全国障害者スポーツ大会を目指す

国体後に開かれる「第12回全国障害者スポーツ大会」10月13日から15日まで岐阜県で行われ、本市から出場した二人のアスリートが「金メダル」に輝いた。

水泳(肢体不自由者男子2部)の小野寺勝(まさる)さん(59)=東山町田河津=は25メートル自由形で「金」メダル(19秒35)を、50メートル自由形で銀メダル(41秒90)W入賞した。

南部鉄工建設で土木施工管理技士として働く小野寺さん。
小児まひによる成長障害で左右の足の長さが5センチほど違う。
幼いころ、よく川で泳いだという小野寺さん。
ソフトボールを経て、水泳に転身した。
バタ足をすると足がつるため、上半身の力だけで泳ぐ。

「無我夢中。何も考えずに泳いだ。そしたら一番になった」

プールで仲間と会えるのがうれしい。
「水泳は健康維持にも最適」と笑う。
 
「次(4年後)は岩手だ」

還暦を前に、まだまだ泳ぎ続ける。

優勝できたんだもん。やめる必要ないじゃん

立谷大祐さん(36)大東町摺沢
立谷大祐さん
以前はバスケット一筋だった立谷さんも今や水泳一筋。
大会に出場し、結果を残すことで喜びを感じた

千葉県国際総合水泳場で11月24、25の両日開かれた「第29回日本身体障害者水泳選手権大会男子100メートル自由形」(クラスS10)で大東町摺沢の立谷大祐(だいすけ)さんが1分12秒69で優勝した。

30歳の時、交通事故で左足を負傷した大祐さん。
「生涯つえが必要」と診断され、中学以来となるプールでリハビリに励んだ。
水中で歩くことから始めた大祐さんは、やがて泳げるように。
知人に勧められ、県大会に出場。
大会新記録で優勝した。
続く東北大会と関東大会でも大会記録を更新。
そして、ついに日本一に輝いた。

「優勝できたんだもん。やめる必要ないじゃん」。
今大会を最後に第一線を退くつもりが、やる気に変わった。

現在は、県障害者水泳協会の会長を務め、全国各地の大会に出場している。
真滝の明生園に勤める大祐さん。
「水泳を続けられるのは、職場の理解があるからこそ」と感謝を忘れない。

昨年から、つえがなくても歩けるようになった。
事故から一転。
今まで見たことのない世界や仲間との出会いに感動の毎日だ。

「4年後を目指したい」

挑戦は続く。

楽しいから続けたい。それだけだ

加藤佳弘さん(51)宮下町
加藤佳弘さん
パワフルなラケットさばきを見せる加藤佳弘さんは、攻めの卓球が持ち味。
全国大会は緊張したが、最後まで楽しんだ

宮下町の加藤佳弘(よしひろ)さん(51)は、卓球競技(肢体不自由者男子2部)でゴールドメダリストになった。

「さすがに決勝は緊張でふるえたね」と振り返る。

12年前、脳梗塞で左半身が不自由になった。
リハビリのために中里卓球クラブに入会。
学生時代に励んだ卓球を再開した。
初めのころ、チームメイトは気を遣って手加減した。

だが、今は違う。
クラブの仲間と大会に一緒に出場したり、ラージボールなどのニュースポーツを楽しんだり、その活動は健常者と変わらない。

「楽しいから続けたい。それだけだ」

どこまでも自然体だ。

広報いちのせき「I-style」1月1日号