30年以上連続無休走を継続、「走りに勝る薬なし」。
中高年に元気を与えたい 

佐藤誠之さん
30年以上連続無休走を続けるジョガー
佐藤誠之さん 79 花泉町涌津

花泉町涌津にある誠信堂医院院長の佐藤誠之さんは、「年中無休走」を30年以上も続けるジョガー。
79歳とは思えない健康な体と理想的な体型に驚かされる。

30代前半に「96キロあった」という誠之さん。
医者であるにもかかわらず、適正体重(65キロ)を30キロも超え、「肥満は諸悪の根源。このままでは早死にする」とダイエットを決意した。
ゴルフを始め、約10年で82キロまで減量。
それでも、適正体重にはほど遠く、一念発起して選んだ道が「走る」ことだった。

42歳からジョギングを始め、48歳で「無休走」をスタート。
毎朝4時30分に起床、5時から7時まの2時間、じっくり、ゆっくり、たっぷり走る。
走る距離は1日平均12キロ。
30年間で14万キロを走った。
なんと地球を3周半したことになる。

「台風でも地吹雪でも走りますよ」と笑う誠之さん。
「冬は足場が悪い。転んでけがをしたこともあるので、休んだほうが無難なんだけど」と言いながらも、「転ばないコースを選んで、ジョグかウォークを続けています」と無休にこだわる。

「走りに勝る薬なし」を体現する医師は「定年」を過ぎた今なお、「現役並み」の診察をこなす。
地域から必要とされ、住民から頼りにされる忙しい毎日に「ありがたい。私の元気のもと」と感謝する。
県や市の医師会役員も務めるなど、「誰かの役に立つことが幸せ」と優しい。
みんなに「倒れるなよ」と声を掛けられることもまた、励みだ。

走友会「花泉らんらん」の会長になって35年。
会員の高齢化はいなめないが、結束は固く、月1回の「10キロ例走会」を欠かさない。
走った後の懇親会がまた楽しみ。
ランニング談義でとことん盛り上がる。

寝不足、二日酔い、入院中でも休まなかったジョグとウォーク。
「小食・多眠・持久走」は日課だ。
健康な体とスリムボディは「望んだだけでは得られない。自分の手と足でつかむもの」と努力すること、続けることの大切さを呼びかける。

「行動なくして実現なし」を信条に、走り続けるベテランジョガーは、「中高年に夢と元気を与えられる存在でありたい」ときっぱり。

無休走から夢求走へ―

挑戦は続く。

「完走メダル」
2007年に始まった東京マラソンに、これまで4回出場。
07年、12年はフルマラソンに挑戦した。
写真は08、11年に10km競技に出場し、完走した証の「完走メダル」

Profile

1934年生まれ。
岩手医科大卒。
67年に誠信堂医院を開設し、現在に至る。
81年に走友会「花泉らんらん」を創設。
83年には萩原隆先生らと「日医ジョガーズ連盟」を結成し、東北ブロックの代表に。
妻、靖子さんと2人暮らし。
花泉町涌津在住、79歳。

広報いちのせき「I-Style」 平成25年2月1日号