二十歳のリアル

未来は今の先にある。
今年、成人を迎えた若者たち。
懸命に今を生きる新成人の「素顔」を探る。 

これまでの人生を振り返る 

オギャー、オギャー。

産声を上げて20年。
この歳月の中には数えきれないほどの出会いや語り尽くせないほどの思い出が詰まっている。

初めての着物にわくわくした「七五三」。
何事にも興味津津だった「入園式」。
みんなで「おもいでのアルバム」を歌った「卒園式」。
わくわくする気持ちを胸に、名前を読み上げられ、大きな声で返事をした「入学式」。
大好きな友達や先生との別れに涙があふれた「卒業式」――。

それぞれの節目を経て今回、迎えた「成人式」。

お花屋さん、ケーキ屋さん、サッカー選手、大工さん、戦隊ヒーロー――。

なりたいものがたくさんあったあの頃。
子供のころに思い描いていた二十歳になれているだろうか。

これまでを振り返り、未来に進むための大切な日。
久しぶりに会う仲間との再会を喜びながら思い出話しに花が咲く。
そしてさらなる飛躍を誓った。

それぞれの道で全力に生きる

就職して働く人、進学して勉学に励む人。
中学や高校を卒業し、それぞれの道を歩む仲間が、成人式で再び一つになる。
一人一人、立場や考え方は違うが、夢や目標に向かって一生懸命努力する姿は一緒。
昔と変わらない。

大東町摺沢出身の佐藤芳也さんは、陸上自衛隊岩手駐屯地に勤務する自衛官。
「所属する中隊に貢献したい」と日々の厳しい訓練に全力で取り組む。
親元から離れて暮らす芳也さん。
「遠くにいても、古里とのつながりは忘れずに暮らしたい」ときっぱり。
古里を愛し、大切に思う気持ちは変わらない。

今を一生懸命生きる。
この一瞬一瞬を大切に過ごすことが、やがて訪れる自分の未来を切り開いていく。
喜びや成功だけでなく、悩んだり、苦しんだり、失敗したりすることも、決して無駄なことではない。
過去、現在、未来は1本のレールでつながっている。
全てが未来の自分をつくる大切な経験なのだから。

節目の日だからこそ、これまでの感謝の想いをみんなで伝えたい

成人式企画実行委員会委員長 加賀善裕さん かが・よしひろ 大東町摺沢
加賀善裕さん 
成人式企画実行委員会委員長を務め、19人の委員と共に記念行事を企画しました。
家族や地域など、お世話になった人たちへ、成人式を迎える今だからこそ感謝の気持ちを伝えたいと、話し合いを進めました。
いつもはサポートする側が、委員長を任されて不安でしたが、みんなで意見を出し合い、それを発展させて形にすることができました。
 
当日は、新成人のみんなの反応も上々。
会場内が楽しい雰囲気でいっぱいだったように感じます。
実行委員を通して出会った仲間と一つになって同じ目標に向かえたからこそ、記念行事を成功させることができました。
ありがとうございます。

今春には一関高専を卒業し、県外でエンジニアとして働きます。
生涯エンジニアとして活躍するためには、常に学ぶ姿勢が必要です。
最初は分からないことばかりですが、先輩たちから学んでいきたいです。

また、「広い世界を見てこい」と親元を離れて生活することに両親も応援してくれています。
料理をするなど、一人暮らしに向けて準備を進めています。

昨年12月に行われた衆議院・比例代表選挙、国民審査では、初めての投票に行きました。
大人になったんだと実感しました。

4月を境に生活環境が一変します。
不安はあります。
つらいことも承知の上で、挑戦し続けます。
そして、成長して、岩手に帰ってきたいです。

夢は小学校教師。
視野を広げることで、充実した毎日を送る

佐藤綾美さん さとう・あやみ 宮城県仙台市(藤沢町黄海出身)
佐藤綾美さん
私の夢は、小学校教師です。
小学4年の頃からずっと思い描いた夢に向かって、今は、仙台の大学に通っています。

勉強と部活中心の生活から一変。
大学に進学して、大切なのはそれだけじゃないことに気付かされました。
今は、学業の傍ら、塾講師のアルバイトをしています。
そこでは、勉強だけでなく、子供の気を引かせるためにはどうすればいいか、勉強嫌いの子供にはどうやって教えればいいか、考えたり、学んだりすることが多いです。

また、週に1度、ボランティアで地域の小学校を訪れます。
授業中に児童の勉強を見たり、丸付けをしたりして、先生をサポートします。
実際誰とでも心を打ち解けあえる大人になりたい後輩たちの模範となるような大人になりたい仕事を通して今の世の中をしっかり発信したいの教育現場での体験はとても貴重。
教える不安はあるけれど、徐々に自信に変えていきたいですね。

親元を離れて初めて、家族の有り難みを実感しています。
外で疲れて帰っても、ごはんもお風呂も準備されていませんからね。
普段は照れくさくてなかなか言えないけど、おいしいお米や野菜を作って送ってくれてありがとう。
感謝しています。

藤沢町は、合併して夏から冬の成人式になりました。
同級生ときれいな着物姿で会えてうれしいです。

見通しを立てた生活をして、人の心を組み取れる大人になりたいです。
そして、児童を上からぐいぐい引っ張るのではなく、横から支えてあげられる先生を目指します。

大好きなスポーツを通じて地域参加がしたい

箱石俊樹さん 埼玉県さいたま市(萩荘出身)
箱石俊樹さん
埼玉のスポーツショップで販売員として働いています。
社会人2年目。
精神的にも、肉体的にもつらいことは多いけど、将来、自分の店を持てるように頑張りたいです。
社会人になって責任感が強くなりました。
スポーツを通して地域参加ができればいいと思います。

後輩たちの模範となるような大人になりたい

今野沙紀さん 福島県福島市(花泉町花泉出身)
今野沙紀さん
福島の医療系専門学校に通い、臨床検査技師を目指し勉強、実習に励んでいます。
成人式を迎え、これからは大人の自覚を持って行動し後輩たちの模範になるような大人になりたいです。
親には迷惑ばかりかけたけど、これからはしっかり親孝行していきたいです。

誰とでも心を打ち解けあえる大人になりたい

金野勇希さん 千厩町奥玉
金野勇希さん
介護の仕事に就くため知識や技術の習得に励んでいます。
社交性も磨き、心を開ける大人になって、社会に貢献できるように頑張っていきたいです。
親には、これからも迷惑をかけることもあるかもしれませんが、今まで育ててくれた分以上に親孝行します。

行動に責任を持ち、子供に合った保育をしたい

菊地伶さん 東山町長坂
菊地伶さん
地元東山の保育園への就職が決まり、今は、保育教材をつくって準備しています。
行動に責任を持ち、子供に合った保育をしたいです。
保育園は地域の一部。
積極的に地域参加ができればいいと思います。
子供や保護者から慕われる先生を目指して頑張ります。

仕事を通して今の世の中をしっかり発信したい

菅原拡さん 宮城県仙台市(室根町折壁出身)
菅原拡さん
テレビ局への入社が決まり、最後の学生生活を満喫しています。
成人して不安もありますが、今からスタートだという晴れやかな気持ちが大きいです。
仕事を通し今の世の中をにしっかり発信できる人間になりたいです。
20年間育ててくれた親に心から感謝しています。

感謝の気持ちを行動で示したい

瀧澤紗奈さん 盛岡市(川崎町門崎出身)
瀧澤紗奈さん
盛岡の公務員専門学校に通い、4月からは盛岡地方検察庁に勤務します。
今は、テーブルマナーや言葉遣いなど、社会人に必要なマナーの勉強をしています。
責任感がある大人になりたいです。
周囲の人に対する感謝の気持ちを行動で示していきたいです。

広報いちのせき「I-Style」 平成25年2月1日号