しなやかに、したたかに積み重ねてきた100年―。激動の時代を支えた8人の女性を紹介します。

佐藤ツタ子さん 大正2年3月10日

戦時中、家頭となり家を守った
佐藤ツタ子さん

17歳で結婚。夫吉之進さんが出兵した時も家頭として休むことなく働きました。
手先が器用で、家族の着物を縫ったり、服のほころびを直したりするのが得意。
家業の農業と家事を両立し、苦しい時代を乗り越えました。
平成22年には吉之進さんも100歳に到達。互いを支え合ってきたことが長寿の秘けつです。

吉田チヤさん 大正2年3月29日

「チヤ子さん、チヤ子さん」と愛された
吉田チヤさん

働き者のチヤさん。縫い物、編み物、そして料理が得意。
中でもカレーとすいとんは天下一品。家族みんなが口にします。
我慢強い人柄で愚痴を言わず、たくさんの人から「チヤ子さん、チヤ子さん」と親しまれました。
20歳で福治さんと結婚。子6人、孫18人、ひ孫9人がいます。
好き嫌いをせずに何でも食べることが、健康の秘けつです。

川嶋まさよさん 大正2年3月25日

100年の節目を家族に囲まれ笑顔
川嶋まさよさん

19歳で恭治さんと結婚したまさよさんは、子6人、孫8人、ひ孫7人、玄孫3人がいます。
大きな農家に嫁ぎ苦労したというまさよさん。
周りのみんなが平らに接してくれたことと心持ちを穏やかにしてこれたことが長寿の秘けつだそうです。
「いつのまにか100 歳を迎えた」と振り返り「いくつになっても生きているのが楽しみ」と家族に囲まれうれしそうでした。

高橋志ゞよさん 大正2年4月19日

大好きな民謡や演歌を口ずさむ
高橋志ゞよさん

気配り上手で気取らない志ヾよさん。19歳で盛さんと結婚し、子4人、孫8人、ひ孫6人がいます。
自家製の野菜を食べ、毎日欠かさず牛乳を飲むなど食事に気を付けてきたほか、数キロのウオーキングもしていたそうです。
20年ほど前までは老人クラブ活動にも積極的に参加した志ヾよさん。人と話したり、民謡や演歌を歌ったりすることが大好きです。

金野トキヨさん 大正2年4月22日

仕事一筋、働くことが好きだった
金野トキヨさん

トキヨさんは24歳で繁さんと結婚。子7人、孫7人、ひ孫5人に恵まれました。
仕事一筋で働くことが好きだったトキヨさん。長寿の秘けつは、好き嫌いなく何でも食べることと気を強く持つことだそうです。
現在の楽しみは、孫やひ孫と会うこと。「家族に囲まれ祝ってもらえた。はずかしいけれどもうれしい」と話していました。

藤野スエヲさん 大正2年5月20日

女手一つで子供たちを育てた立派な母
藤野スエヲさん

大東町大原出身のスエヲさん。忠一さんと結婚し、2人の子供に恵まれました。
忠一さんが戦死した後は、農業を営みながら子供たちを1人で育てました。
長寿の秘訣は「くよくよしないことと感謝の気持ちを忘れないこと」というスエヲさん。
誕生会に駆け付けた長女の吉田トヨ子さん(78)は「立派な母。いつまでも長生きしてもらいたい」と話していました。

山﨑カツノさん 大正2年5月1日

車いすで津波を逃れた生命力の強さ
山﨑カツノさん

入所していた大船渡市内の特別養護老人ホーム「さんりくの園」が被災し、同年3月20日に明星園に入所したカツノさん。
22歳で伊助さんと結婚。子5人、孫7人、ひ孫11人がいます。歌を聞くことが好きで、大好物は熱いお茶とお煎餅。
洗濯物をたたむなど、大抵のことは自分でします。
「ますます元気になって、大船渡に戻ってほしい」と、大勢の仲間がカツノさんを応援しています。

吉田タカ子さん 大正2年6月23日

100歳の大学生、愛する陶芸を続ける
吉田タカ子さん

山目出身のタカ子さんは、25歳で一夫さんと結婚。
めいのマキ子さん=横浜市=が結婚してからは、一人で暮らしています。
100歳の今もなお、食事の支度をはじめ、自分のことは自分でします。
庭にある家庭菜園でトマト、ホウレンソウ、インゲンなどを栽培。霜紅大学で陶芸を習い、現在も夢中で作陶を続けています。 

 

 広報いちのせき「I-Style」 平成25年7月15日号