田村宗良自筆和歌

日本の四季を象徴する花鳥風月が連続して描かれ、それぞれの画題にちなんだ和歌が一首ずつ添えられています。
画は狩野(かのう)昌雲(しょううん)の作、和歌は一関藩主田村家の藩祖宗良の自作自筆です。

巻頭には竹と鶯の画に「声なくばいかでしらまし竹の葉にまが(紛)ふ色なる春の鶯」の句が添えられています。
全体で16首を収め、巻物に仕立てられ、田村家では藩祖宗良の遺品として大切に保管されてきました。
宗良の文化人としての資質を余すところなく伝える作品です。

宗良は、寛永14(1637)年、仙台藩2代藩主伊達(だて)忠宗(ただむね)の三男として仙台で生まれました。
断絶した三春(現福島県)の戦国大名田村家を継承し、万治(まんじ)3(1660)年には、仙台藩4代藩主伊達亀千代の後見となって名取郡岩沼に移り、3万石で仙台藩の分家大名となりました。

その後、宗良の息子の建顕(たけあき)が天和(てんな)2年(1682)に一関に移り、初代一関藩主となりました。

※この資料は一関市博物館の「収蔵名品展」に展示されます。

田村宗良自筆和歌
田村宗良自筆和歌

いちのせきの広報誌「I-style」1月1日号