望ましいみとりを市民と一緒に考える

5望ましいみとりの在り方について考えたパネルディスカッション。3人のパネラーがみとりについて意見を交わした

「地域医療市民フォーラム」は11月17日、藤沢文化センター「縄文ホール」で開かれた。
「地域での生活を支える医療と介護」をテーマに地域住民や医療・福祉関係者約400人が医療・介護の連携や望ましいみとりについて考えた。

基調講演では、穂波の郷クリニック(宮城県大崎市)の三浦正悦院長が「生きる力を育むコミュニティ緩和ケア」と題し、患者や家族の心と体に寄り添う在宅緩和ケア支援の実践事例や効果を説明。
「病気の苦しみを取り除くだけではなく、生活を充実させることが必要」と訴えた。
コミュニティ緩和ケアの事例報告では、同クリニック併設の「緩和ケア支援センターはるか」の大石春美センター長がステージに上がった。
在宅で家族と過ごし、安らかに永眠した3人の事例を映像と音楽を織り交ぜて紹介。
客席には涙する参加者も。

続いて、千厩病院へのボランティア活動を続けている「朝顔のたね-千厩病院を守り隊」(遠藤育子会長)が寸劇「おらだぢにもでぎるごど」を披露した。
県立病院に勤務する医師の厳しい勤務状況を紹介し、その負担を軽減するために「コンビニ受診」を減らすこと、かかりつけ医を持つことや日常から健康づくりをすることなどの重要性をコミカルな演技で分かりやすく見せた。

「医療と介護の連携による望ましい看取りとは」をテーマに行われたパネルディスカッションでは、高木史江市国保藤沢病院診療部内科長、八巻光恵ふじさわ訪問看護ステーション看護師長、藤野久美特別養護老人ホーム真生園介護副主任がそれぞれ施設での「みとり」に関した状況を報告し、意見を交わした。

コーディネーターの齋藤昭彦市保健福祉部長は「医療を取り巻く状況が厳しい中で医療、看護、介護の関係者だけではなく、地域住民も一緒になり問題を乗り越えていくことが必要」と総括した。
来場者は、自分らしい最期を迎えられる場所やサポート体制の在り方について考えを深めた。

※緩和ケア…完治を望めない患者に、生命の持続よりも、身体的痛みや精神的苦痛を取り除くことに重点をおいた介護・看護。末期がん患者などに対して行われる。

1映像と音楽を織り交ぜ事例を紹介した緩和ケア支援センターはるかの大石春美所長2関係者や一般市民など約400人が参加
3基調講演した穂波の郷クリニックの三浦正悦院長4寸劇で県立病院の現状などを伝えた「朝顔のたね-千厩病院を守り隊」のメンバー
1)映像と音楽を織り交ぜ事例を紹介した緩和ケア支援センターはるかの大石春美所長
2)関係者や一般市民など約400人が参加
3)基調講演した穂波の郷クリニックの三浦正悦院長
4)寸劇で県立病院の現状などを伝えた「朝顔のたね-千厩病院を守り隊」のメンバー
5)望ましいみとりの在り方について考えたパネルディスカッション。3人のパネラーがみとりについて意見を交わした

広報いちのせき「I-style」12月1日号